著者
"鈴井 江三子"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.59-70, 2004
被引用文献数
2

"本研究は,超音波診断を含む妊婦健診の導入と普及要因を明らかにするため,戦後の医療制度再編に施行された医療法,医療保険制度,医療金融公庫法および母子保健法の4つの領域に焦点を当てて分析したものである.その結果,超音波診断装置の導入,普及には医療産業育成政策が動因として挙げられ,政府の政策支援によって達成したものであることが明らかになった.また同装置の開発と臨床への導入には医師,技術者以外に,日本ME学会の功労も大きいものであった.さらに超音波診断の保険診療の適応が広く導入を促した.その結果,超音波診断を含む妊婦健診が一般的になり,本来は順調に妊娠の経過を観察するという妊婦健診は,胎児異常の早期発見に傾倒した妊婦健診になったといえる."

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