著者
大村 いづみ
出版者
名古屋市立大学
雑誌
名古屋市立大学看護学部紀要 (ISSN:13464132)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-29, 2003-03
被引用文献数
5

妊娠初期から産褥期までの母親意識(母親役割の受容、子どもへの感情)と抑うつ状態の変化および両者の関連について分析することを目的に、正常な妊褥婦52例を対象に質問紙調査を行った。母親役割の受容については、全般に積極性得点が高く、消極性得点は低かった。積極性得点は妊娠末期にやや低下する傾向があり、消極性得点は妊娠末期から産褥期にかけて高くなっていた。子どもに対する感情では、子どもの人格性の意識と密着の得点が他よりも高かった。また、Zungスコアの平均から見て軽度から中度の抑うつ状態にあると考えられた。時期別には、妊娠末期にZungスコアが高く、産褥期には低下していた。しかしながら、母親意識、抑うつ状態とも妊娠時期による統計的有意差は認められなかった。一方、積極性得点と抑うつ状態との間(r=-0.47)、また、子どもへの献身得点と抑うつ状態との間(r=-0.41)には相関が認められた。このことから、母親意識と抑うつ状態との間には関連があると考えられた。この点を中心に今後、さらに対象例数の増加、同一対象の縦断的追跡など、検討が必要である。

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