著者
内海 兆郎
出版者
広島大学
雑誌
広島大学医学雑誌 (ISSN:00182087)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.145-153, 2002-12-28

日本中毒学会「分析のあり方検討委員会(現分析委員会)」による,分析結果が治療に有用とされる15品目の中毒起因物質のうち,テオフィリンを除外した14品目について,臨床現場で得られる少量の生体試料からどれだけ迅速に何種類の検査が可能であるかについて検討した。本システムを構築するにあたり,生体試料を分析対象とした検査法のなかった有機リン系農薬,アセトアミノフェンは独自に開発し,環境検査用に市販されている検出キット(メタノール,青酸化合物,ヒ素化合物)は,生体試料に適用できるよう検討した。その結果,市販されていた5種のキット,独自に間発した2種の検出キットと2種の反応系によって,試料(尿および血清)1mlから14品目の中毒起因物質を1名の検査者が2時間で推定できた。また,実際の中毒4例に本システムを用いたところ,中毒起因物質の推定が可能であった。それぞれの検査法は注意点や改良点がいくつかあるが,臨床現場で得られる少量の試料から中毒起因物質の推定が可能となり,治療方針を決定するうえで有用であることが示唆された。

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以下のような記事を参考資料として読んでみて下さい。 http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=en&type=pdf&id=ART0001179952 http://techc.hiroshima-u.ac.jp/kankoubutsu/report/report2004/report2004_27.pdf https://www.jstage ...

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