著者
戸梶 亜紀彦
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.27-37, 2004-03-19
被引用文献数
3

人間は, さまざまな経験をとおして成長・発達していく。そして, 個々の体験から, 何らかの影響を受け続ける。特に, 強烈な情動を伴った出来事の影響は強いと考えられる。そこで本研究は, 「自分の何かを変えた感動的な出来事」について調査を行い, 感動の効果に関するメカニズムについて詳細な検討を行った。その結果, 感動には大きく分けて, 動機づけに関連した効果, 認知的枠組みの更新に関連した効果, 他者志向・対人受容に関連した効果という3つの効果のあることが示された。また, 感動体験は, 単に個人の何かを変化させる契機となるだけではなく, 出来事に対する総合的な評価を背景とした外的事実の成立の瞬間と, 心身の感覚および認知的作用の相乗効果とが重奏的に作用して, 個人の何かを変化させた出来事をより印象的な事象として記憶の貯蔵庫に精緻化して各効果を増強し, 持続させる役割を果たし, さらに, 個々人の問題意識に関連するような潜在的および顕在的目標行動を始発させる契機となっているという可能性が示唆された。これらの結果に基づいて, 感動的体験の応用可能性について論じられる。
著者
渡部 芳栄
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.153-168, 2015-03

Public University Corporations (PUCs) are founded by local governments to provide higher education, research, and social services efficiently and effectively. The number of PUCs in Japan has been increased since 2004 when the PUC system was begun, and now there are 65 PUCs in 2014. This article examines a total of ninety eight Mid-Term Plans of PUCs to investigate how local governments calculate Management Expenses Grants (MEG) and how much they intend to actually allocate the grants to PUCs. Comparing ninety eight Mid-Term Plans reveals the difference in the proportion of MEG to revenue by the year when they were incorporated. PUCs incorporated between 2005 and 2006 experience relatively deep cuts of MEG nevertheless the average proportion of MEG in the first Mid-Term Goal period. On the other hand, PUCs incorporated between 2008 and 2010 have a relatively high proportion of MEG in the first Mid-Term Goal period. Whether their founders reduce, maintain or increase MEG in the future should be investigated. Also one finds that one third of corporations adopt a variety of coefficients in the calculation of MEG. The various coefficients have various influences on PUC: coefficient of parts of expense items may have less influence and that of MEG itself probably have more influence. Local governments and PUCs should realize and consider the influence and significance of coefficients.本研究はJSPS科研費 25870082(「教育の質保証時代における公立大学法人運営の研究」(研究代表者 渡部芳栄)), 25285236(「大学経営の基盤となる財務情報の戦略的活用に関する研究」(研究代表者 水田健輔))の助成を受けたものである。
著者
ポスト デイヴィッド スタンバック エイミー ギンズバーグ マーク ハナム エミリー ビーナヴォット アーロン ビョー クリス 福留 東土[監訳] 三代川 典史[翻訳]
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.319-335, 2013-03

英語の"Rank"には二つの意味がある。Shakespeare が『ハムレット』を著して以来,この単語はその第1幕にある,順番を付けられ階級化された序列体系を意味するとともに,第3幕で使われる,「腐敗した」「穢れた」という意味を持つ1)。今日,世界中の大学のテニュア(終身在職権)審査委員会や図書収集担当司書にとって,第1幕での序列体系を示す"Rank"はお馴染みである。だが,第3幕で使われる"Rank"の概念も理解しうるだろう。"Rank"の持つ二つの意味が関連性を保持しているのは,「インパクトファクター(論文の影響力を示す指標)」を学問評価の最適な手法と考え,その普及を促進するトムソン・ロイターのような商業ビジネスのおかげだともいえる。 本稿では,学術出版,大学,研究者の評価にインパクトファクターやランキングが利用されるのは,次の4つの動向に関連していることを論ずる。①官僚主義的権威の特徴である専門知識の(不可逆的な?)正統化,②高等教育の規制と管理を巡る駆引き(新管理主義と研究評価制度に如実に顕れる)③この2つの動向に便乗して商業的学術出版界が行う価格設定や資金調達。この動向は大学図書館の予算を侵食する高額課金に顕れる。④学術誌や編集者に期待されるドラマ的演出の拡大。これは,学術誌や編集者が履歴書製造工場の生産ラインの従業員ではなく,思想を賑やかに楽しく語り合う場のホスト役を自認する場合にもあてはまる動向だ。本稿はこれら4つの動向に言及した後, その動向の中に筆者が編集者の立場で携わる『比較教育学研究(Comparative EducationReview)』(以下『CER』)を位置づける。そして,学術誌が選択し得るオプションを考察する。著作者の履歴書に加えられることを目的とする論文ばかりの学術誌もあるが,それとは異なる,より活気に溢れ関わり合いを深く持つように教育学研究のコミュニティを発展させる方法を提案したい。その上で,インパクトファクターという指標の代替手段,或いはその補完に活用しうる,学術誌のクオリティ(以下「質」)を判断する手段を提案する。学術論文は学術コミュニケーションの副次的成果に過ぎないのだ。我々の主張は,最も根本的な成果としての学術コミュニケーションそのものに,学術誌とその読者が固有の価値を見出し,このコミュニケーションに関与すべきである,ということだ。In English the word "Rank" has a double meaning: a "hierarchical series" and also "rotten" or "filthy." This essay considers the pressure felt by scholars publish in journals that are highly "ranked." We first document evidence for this pressure, then discuss the consequences of impact factors and ranking in higher education. We connect ranking four movements: 1) the rationalization of expertise as a feature of Weberian bureaucratic authority; 2) the politics of higher education regulation and control, as manifest in the new managerialism and associated research assessment exercises; 3) the pricing and finance of commercial scholarly publishing, which takes advantage of the preceding developments by charging high prices to maximize profits; 4) decisions by editors and their journals to play by the new rules even when they are personally opposed to them and when they value journals for a different purpose. After touching on these four movements, we discuss the journal that we edit (Comparative Education Review). We consider the alternatives to ranking, and we suggest ways to promote a more vital and engaged educational research. Specifically, we suggest a means to judge the quality of scholarly journals that could be used as an alternative, or supplement, to the metric of the impact factor alone, by considering articles as the by-products of scholarly communication. We advocate that journals and readers attend to the intrinsic value of that communication as the most fundamental product.
著者
喜多村 和之
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.21-39, 1979-06
著者
田代 聡 堀越 保則
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

放射線被ばくにより染色体異常がどのようなしくみで形成されるか、という本質的な疑問については、未だに未解明のままである。さらに、低線量被ばくでも、高線量被ばくと同じしくみによる染色体異常を形成するのか?などの疑問についても未だ明確な回答はない。我々は、紫外線レーザーを用いて放射線障害に特徴的なDNA二本鎖切断を誘導する紫外線マイクロ照射法を開発し、放射線誘発核内ドメインの形成制御機構の解明に取り組んできた。最近、従来の顕微鏡の数倍の解像度を持つ超解像顕微鏡が開発された。超解像顕微鏡に紫外線マイクロ照射法が可能な装備を備えた新しいシステムを用いることで、放射線誘発核内ドメインの超微細構造の解析が可能となる。また、次世代シーケンサーを用いることで、特定の染色体DNA領域の位置関係を分子細胞遺伝学的に解析することが可能となってきた。本研究では、超解像顕微鏡を用いた放射線誘発核内ドメインの動的構造解析を行ったところ、放射線照射細胞では代表的な放射線誘発核内ドメインとして知られているRAD51フォーカスの形が変わること、損傷ゲノムの一部はRAD51がもともと集積していた場所に移動すること、などを明らかにすることができた。また、生化学的アプローチでは、損傷シグナル因子ATMキナーゼによるクロマチン再構成因子複合体の活性制御により、損傷クロマチンへの適切なRAD51の結合を調節していることを明らかにした。さらに、RAD51タンパク質複合体に含まれる細胞核構造構築に関連する因子が、RAD51の機能制御を介して染色体異常形成の抑制に関与していることを明らかにし、論文発表している。さらに、本年度は染色体構造異常の形成に関与するクロマチン再構成因子複合体について、ATMキナーゼによる損傷依存的なリン酸化による活性制御を受ける構成因子を同定した。
著者
富永 一登 川合 康三 釜谷 武志 浅見 洋二 和田 英信 緑川 英樹
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

『文選』の伝承から見た文学言語の型の形成と継承を追究するための基礎作業として、まず『文選』詩編(12巻分)の訳注作業を完成した。原稿作成は25年度内に完了したので、近々にこれを出版社から刊行し、広く社会に公表する予定である。また、『文選』所収の主な詩人の経歴や作品についてのコメントをまとめた。これも刊行予定の訳書に付載する。更に近年の『文選』研究の整理や唐代宋代の詩人への『文選』の影響についても、学術雑誌などに掲載し、著書としても刊行した。また、台湾大学の柯慶明・蔡瑜の両教授を招聘して『文選』の文学言語の継承に与えた影響について討論を行い、研究成果の国際的交流を行った。
著者
今村 展隆 小熊 信夫
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

我々は、ウクライナのすべての州から診断依頼を受けた過去6年間(1995〜2001年)に、5,483名の患者(成人2,199名、子供3,284名)を調査した。中でもチェルノブイリ原子力発電所の事故当時、7.5〜25cGyの放射能を浴びたチェルノブイリ除染作業者のうち、144名に血液学的疾患が認められた。我々はまた、モノクローナル抗体を用いた,形態、細胞化学,免疫細胞化学および免疫型質解析によって、90名の患者に血液学的悪性疾患を認めた。その内訳は、急性リンパ性白血病4名、B細胞型の慢性リンパ性白血病(B-CLL)16名、B細胞性リンパ腫2名、多発性骨髄腫12名、その他の非ホジキン悪性リンパ腫7名、Sezary症候群2名、願粒リンパ球性白血病6名、急性骨髄性白血病15名、慢性骨髄性白血病8名、真性赤血球増加症1名、本態性血小板血症3名、および骨髄異形成症候群9名であった。血液学的悪性腫瘍患者の平均年齢は57.1±1.3歳で、男女別では男性のほうが多かった(84名;93.3%)。悪性でない血液疾患が8名(再生不良性貧血、溶血性貧血、突発性血小板減少性紫斑病)に、また、骨髄の転移性癌が5名に認められた。造血機構の持続的障害(リンパ球増加症、好中球増加症、造血細胞の異形成変化)は、26名の患者で検出された。この患者グループについては、根本的な病因の性質を明らかにするため、最新の分子遺伝子解析法を用いてさらに詳しく調査する必要がある。6名の除染作業者については、明白な血液学的障害は認められなかった。血液学的悪性腫瘍の発生率は、血液以外の悪性腫瘍発生率および被爆しなかった患者の悪性腫瘍発生率と比較して高率である。我々の研究室で調査したチェルノブイリ除染作業者の集団では、造血組織およびリンパ系組織の主要な悪性疾患の形態をすべて登録し、その中では、慢性リンパ性白血病(19%)を含む慢性リンパ増殖性疾患が優位に多かった(57.4%)。慢性リンパ性白血病は、最近になるまで放射線に関連する白血病であるとは認識されていなかったため、この事実は特に重要である。こうした見解は原爆被爆者生存者の白血病発生率に関するデータに完全に基づいたものであった。一方、日本では古典的なB-CLLは珍しい形態の白血病であり、全白血病の5%に満たない。米国およびヨーロッパでは、B-CLLは成人で最も優勢な白血病形態のひとつである。除染作業者のうち16名のB-CLL患者に関する我々のデータと、Research Center of Radiation Medicineの血液診断所でB-CLL患者36名を観察したKlimenko教授のデータは、電離放射線への曝露はB-CLLのリスクを増加させないという一般に受け入れられた見解に疑問を投げているように考える。こうした一般的見解が優勢になると、除染作業者やウクライナおよびベラルーシの汚染地域に住む住民の間で、B-CLLの発生率が増加していることに関する疫学的データを無視する決定的要因になりかねないと考える。
著者
城田 愛
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.145-148, 2001

第1章高齢者のライフスタイルと睡眠問題に関する現状 現在,世界の高齢化は急速に進んでいる。1995年に全世界の総人口に占める65歳以上の人口の割合は6.6%に過ぎなかったが,2025年には10%を超えることが予想されている(国立社会保障・人口問題研究所, 1997)。さらに2010年以降わが国の高齢化率は,世界の中でも最も高くなるといわれている(厚生省, 2000)。このような世界の高齢化に伴って世界保健機構(WHO)は,1999年に"活力ある高齢化(アクティブ・エイジング)"の概念を提唱し,高齢者が社会でその役割を果たし続けることの重要性を提唱した(World Health Organization, 1999)。一口に高齢者といっても,その実態は様々である。ライフスタイルは,喫煙や肥満などの生活習慣病を予防する目的で注目されはじめたが,現在では個人の生き方,生活様式に加えて,生活態度や個人の価値意識を含む包括的な概念と定義されている。活力ある高齢化を達成する上で,高齢者のライフスタイルを考慮することは重要である。一方,高齢者は心身に多くの問題を抱えており,睡眠に関する愁訴も加齢に伴って増加している(Dement et al., 1982)。高齢者に多く認められる睡眠の特徴として,中途覚醒や早朝覚醒の増加,夜中に目が覚めた後なかなか寝つくことができない再入眠困難,睡眠段階3と4を含む深睡眠の減少,日中の仮眠や居眠りの増加があげられる(林他, 1981)。また睡眠-覚醒リズム(サーカディアンリズム;circadian rhythm)の位相が加齢に伴って前進する(Carskadon et al., 1982)。これらの睡眠の変化は,多くの高齢者を悩ましており,心身の不調を引き起こし,日中の活動を低下させ,生活の質(Quality of life; QOL)を低下させる深刻な問題ととらえられている。このような理由から,活力ある高齢化を考える上で,睡眠問題への対処は不可欠である。本研究では,高齢者の睡眠問題にライフスタイルの個人差という観点からアプローチをおこなった。ライフスタイルはその概念枠組みが大きいため,ライフスタイルを直接測定して得点化することは難しい。高齢者の心理的な状態(well-being)を測定する方法として,社会的自信度(谷口他, 1982)とPGCモラール・スケール(Philadelphia Geriatric Center morale scale; Lawton, 1975)がある。社会的自信度が高いということは「前向きで高い達成意欲を持っている」ことを示している(谷口他, 1982)。一方,PGCモラール・スケールの得点が高いことは「自分自身についての基本的な満足感をもっていること(人生の受容)」,「環境のなかに自分の居場所があるという感じをもっていること(心理的満足度)」,「動かしえないような事実についてはそれを受容できていること(精神的不安)」という3つの意味が含まれている(古谷野, 1996)。したがって,社会的自信度とPGCモラール・スケールの得点が高いということは,前向きな姿勢で達成意欲が高く,周囲の環境に適応していると推測できる。本研究では,これらの質問紙得点が高い高齢者を「高意欲者」と定義した。高意欲者は環境への適応性が高く,日中覚醒しているときの生活内容が充実していると考えられる。そのような高意欲高齢者と低意欲高齢者を比較することで,ライフスタイル(意欲レベル)が睡眠問題に及ぼす影響について検討した。第2章身体活動量からみた活動-休止リズムの検討 本章では65歳以上の高齢者を対象として,意欲レベルと活動リズムの関連性を検討した。ライフスタイル質問紙の得点で抽出した高意欲群14名と低意欲群14名を対象にアクティグラフを用いて,連続10日間の身体活動量を測定した。睡眠健康調査の結果,高意欲高齢者は,低意欲群よりも起床時の眠気や疲労,入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒の報告が少なかつた。さらに仮眠も含めた睡眠中の活動量が低意欲群よりも高意欲群で少なかった。また,夜間睡眠については低意欲群の入眠潜時が長いことから,低意欲群の高齢者は,眠たいという感覚があっても活動性が下がりきるまで寝付くことができないことが考えられた。連続測定した活動量について周期分析を行つた結果,ほぼ全員にτ=24hrとτ=12hrの成分が検出された。同定された成分の振幅に群間差は認められなかったが,両成分とも低意欲群の位相が高意欲群よりも前進していることが明らかになった。そこで自己報告による夜間睡眠と日中の仮眠の時間帯を活動リズムにあてはめて検討したところ,夜間睡眠については,低意欲群の睡眠時間帯は活動リズムと同じく高意欲群より前進していた。しかし,日中の仮眠については,仮眠をとる時間帯に群間差はなかった。この結果は,高意欲群では活動性が下降する時期に仮眠を開始していたのに対し,低意欲群では活動性が上昇に向かう時期でも仮眠を長くとっていることを示している。
著者
吉村 弘
出版者
広島大学
雑誌
廣島大學經濟論叢 (ISSN:03862704)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.7-31, 2009-11-30

本研究の背後にある基本的な考え方は、地域間人口移動は、地域の観点からは、市場メカニズムが十分に補償し得ない経済力「移転」の面をもつと考えることが出来るのではないか、ということである。もしそうだとすれば、地域間人口移動は地域間財政調整の根拠となり得る。このような考えに基づいて、本稿の目的は、平成7~12年の都道府県データにもとづいて、地域間人口移動に伴う地域間経済力の移転額を推計することである。その結果、地域間人口移動と公的移転(公共収入超過)の間にはほぼ正の比例的関係がみられ、人口純転入が大きければ公共収入超過も大きい傾向がみられ、逆は逆である。したがって、地域間人口移動の都道府県に与える影響を、地域の観点からみると、人口純転入(とりわけ20歳前後の若者の純転入)の大きい大都市圏に財政上有利な効果を与え、逆に地方圏に不利な効果を与える傾向がある。しかもその財政上の効果は、プラスの都道府県にとってもマイナスの都道府県にとっても無視できない大きな額である。The basic idea of this paper is that the inter-regional migration means not only "movement" but also "transfer" of economic power among regions from point of region. Here "transfer"means the movement or transaction that the market cannot deal with or compensate properly. Therefore the inter-regional migration is able to be a reason of redistribution of income or fiscal adjustment among regions.With this idea, the aim of this paper is to estimate the sum of "public transfer surplus"among prefectures arising from inter-prefectural migration based on 1995-2000 data in Japan. The public transfer surplus means the net receive (revenue for public service-cost of public service) from point of public sector. This public transfer surplus is equal to the net cost (payment to public sector-benefit from public service) from point of individuals.According to the estimation, we have the following results. (1)The amount of inter-prefectural migration is very different among pretectures, among ages and between men and women. (2)Per capita net cost from point of individuals has the grate difference among prefectures, among ages and between men and women. (3)The sum of "public transfer surplus"arising from inter-prefectural migration is plus at prefectures in urban area, on the other hand the sum is minus at prefectures in rural area. And the size of the sum is too large to ignore from point of prefectures.
著者
橋本 牧子
出版者
広島大学
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.247-256, 2003-03-28

When various opinions about history spread in the 1990s, Haruki Murakami also published Nejimakidori Chronicle on the theme of history in 1995. He wasn't going to face history as a writer until he wrote this novel. How does Murakami picture history as a contemporary writer of today in his novel? In this paper, I will consider Murakami's narrative of history in Nejimakidori Chronicle referring to other various opinions about history today. In order to clarify what Murakami's narrative of history is, I will study the meaning of ""Nejimakidori"" used as the keyword of this novel and the structure of narration of the text.