著者
大渕 修一
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.2-5, 2003-02-01
参考文献数
23
被引用文献数
4 4

高齢者の転倒は, 寝たきりを引き起こす主要な原因の一つに上げられ, 要介護率の低下のため, その防止に期待が高まっている. ところが転倒は, 多くの因子が関わり合った現象であるために, そのメカニズムの解明と予防法の確立は困難な状況にある. こうした中で筆者は, 転倒の起因として最も多い, つまずき·すべりに注目し, これらをシミュレートする機器を開発し, つまずき·すべりに起因する転倒の予防法を検討している. また, 大まかに高齢者といっても地域在住高齢者と施設入居の高齢者では身体機能, 環境要因に大きな違いがあることが考えられ, より対象を明確にした特異的な転倒のメカニズムの解明と, 介入方法の開発の必要性を指摘した.

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