著者
福永 哲夫
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.24-28, 2001
参考文献数
9

宇宙などの無重力環境下では骨格筋に対する物理的負荷が低下し,筋が萎縮する.日本人宇宙飛行士の下肢筋量を宇宙飛行前後で比較すると,1日約1%の減少が観察された.とくに膝伸展筋及び足底屈筋といった抗重力筋にこの傾向が強かった.これらの筋は日常生活を営む上での主働筋であることを考えると,宇宙での長期滞在は宇宙飛行士の健康管理上重要な意味をもつ.そこで宇宙における筋萎縮を予防するための適切なカウンターメジャーの開発が期待される.我々はベッド安静中に膝伸展/股伸展をくりかえすレジスタンストレーニングを実施した結果,筋萎縮を防止することが確かめられた. 以上のことから,宇宙滞在は著しい筋萎縮(特に抗重力筋)を引き起こすこと,その予防策としてはレジスタンストレーニングが効果的であることが確かめられた.

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こんな論文どうですか? 宇宙におけるヒトの骨格筋変化(<特集>宇宙環境でのバイオメカニズム)(福永 哲夫),2001 https://t.co/FxVJbRRV3r 宇宙などの無重力環境下では骨格筋に対する物理的負荷が低下し,筋が萎縮する.日本人宇…

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