著者
角田 博之 宮岡 等 永井 哲夫 上島 国利
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.273-277, 1998
参考文献数
10
被引用文献数
2

約15年間にわたって口腔領域のセネストパチー症状を訴え続けた後, 突然妄想状態を呈し精神分裂病と診断された症例を報告する.初診時28歳, 男性, 無職.主訴は口腔領域の異常感.15歳時より, 顔の筋肉が切れている感じや咬合がずれているような感じが持続し, 28歳時, 歯科医の勧めで精神科を受診した.セネストパチー症状は, 向精神薬の投与によっても改善が認められなかった.30歳時に著明な被害関係妄想を認めたため, 精神分裂病と診断された.したがって, 本症例にみられた口腔領域のセネストパチー症状は, 分裂病の前駆症状あるいは部分症状と考えられた.セネストパチーの治療では分裂病症状の出現に注意し, 彼らが歯科を受診した場合は必要に応じて精神科受診を勧める必要があろう.

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こんな論文どうですか? 口腔領域のセネストパチー症状が15年間持続した後に妄想状態を呈した症例(角田 博之ほか),1998 https://t.co/LQHxY3m9sa

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