- 著者
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腰原 達雄
山田 偉雄
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.2, pp.110-114, 1976-06-25
- 被引用文献数
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1. 小型プラスチック容器を用い,ナタネの芽ばえを飼料とするコナガ幼虫の簡便な飼育法を考案確立した。この方法による継代飼育も可能である。<br>2. 幼虫は芽ばえの子葉,茎を摂食し発育を遂げた。発育は良好で,ナタネ芽ばえ(種子重7g)を収容した容器の幼虫飼育密度を100頭とした場合,蛹化率は高く90%以上にも達した。幼虫発育速度,蛹重,蛹から羽化した成虫の産卵数は,キャベツ葉で生育したものと同等であった。<br>3. 7gのナタネ種子を用い,発芽直後の芽ばえに成虫3対を2∼3日間放飼,産卵させ,幼虫を飼育すると,25°C恒温条件下で成虫放飼約15日後には蛹化がほぼ終了し,約100頭の蛹を得ることができた。<br>4. 飼料の芽ばえは更新することなく幼虫を飼育できた。蛹化は,幼虫発育終了間ぎわに容器内に挿入した,波形に折目をつけたろ紙片下面で大部分が行なわれ,蛹を容易に採集できた。