著者
根来 健一郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.872-873, 1961-01

本研究に使用した材料は,第1次越冬隊の中野征紀・北村泰一両氏が採集せられたものを,第2次調査隊員吉井良三氏を経て貰い受けたものである.東オングル島....11種類の硅藻が発見されたが,硅藻群落の優占種は南極の陸水に固有なNavicula muticopsisであり,亜優占種は世界に広く分布するHantzschia amphioxysである.Navicula perpusillaがこれ等に次いで多い.又別の南極陸水固有種であるNavicula austroshetlandicaも出現するが,この種はここでは余り多くない.以上の陸水産種に混って,海産のCocconeis pinnata, Diploneis stigmosa,及びCoscinodiscus polyradiatusの3種が見出されるが,これ等は比較的に少い.ラングホブデ山地....16種類の硅藻が発見されたが,これ等の中でCocconeis pinnata,Cocconeis costata var. pacifica,Coscinodiscus polyriatus,及びNavicula cryptocevhalaが比較的に多い.硅藻群落は殆んど海産種で構成され,淡水産又は汽水産の種はここでは割合に少い.ユートレ島....9種の硅藻が見出されたが,硅藻群落の優占種乃至亜優占種はCoscinodiscus polyradiatusとCocconeis pinnataである.ここでも海産種と淡水産種又は汽水産種とが混合している.南極大陸の海岸地帯にある陸水の硅藻フロラが多くの海産種を含んでいることは,既にG.W.CARLSON (1913)によって指摘され,彼はこの事実を招来する原因は多分強風であろうと推論したが,このCARLSON氏の説は正しいと思われる

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こんな論文どうですか? 南極の陸水に産する硅藻(予報)(生物部門)(<特集>南極シンポジウム)(根来 健一郎),1961 http://t.co/Aks8O7olTP
こんな論文どうですか? 南極の陸水に産する硅藻(予報)(生物部門)(<特集>南極シンポジウム)(根来健一郎),1961 http://id.CiNii.jp/EuH7L

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