著者
池田 博子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.214-218, 1999-08-20
被引用文献数
1

抹茶を泡立てる場合の湯温が起泡性に及ぼす影響を見るため,まず,浸出液を用いて浸出温度と起泡時の温度に分けて検討し,次に湯温を変えて抹茶懸濁液を泡立て以下のような知見を得た。 1.浸出温度は高いほど化学成分の溶出量は多く,浸出液の粘度も高くなり,泡沫容積は増大し,生じた泡はきめ細かく安定であった。 2.起泡時の温度は高いほど泡膜表面での蒸発が激しく,破泡が起こりやすくなり,泡沫容積は減少し安定度も低下した。 3.湯温を変えて抹茶懸濁液を泡立てると,化学成分の溶出と蒸発が並行して起こり,泡沫の生成と破泡が複雑に絡み,70℃以下の低温域では主として浸出温度,70℃以上の高温域では起泡時温度の影響を強く受け,泡沫容積は70℃以上では減少するが,安定度に差は見られなかった。

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