- 著者
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持永 春奈
河村 フジ子
- 出版者
- 一般社団法人日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.4, pp.390-395, 2001-11-20
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
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5
おいしい炒めもやしの調理要領を知るために,炒め方の違いが,炒めもやしの品質に及ぼす影響について調べた結果を要約すると次のようになる。1.炒めもやしから分離する水分量は,鉄鍋の方がテフロン鍋より多いが,炒め時間の増加に伴い顕著に減少した。2.炒めもやしから分離する油量は,炒め30秒で,使用した油量の50%と多いが,鉄鍋の場合には炒め時間の増加に伴い減少した。3.炒め時間の違いにおける油の酸化度への影響は、炒め30秒でも,POV・TBA値共に,加熱前の値より高い値になる。この傾向は鉄鍋の場合がテフロン鍋よりも顕著であった。しかし炒め時間の違いによる差は些小であった。4.生もやし,炒めもやし共に,破断特性値はばらつきがみられるが,60秒以上炒めたもやしは生もやしよりも,破断応力は大きく,破断歪は小さくなった。5.官能検査の結果から,炒めもやしの油っぽさと好みについて,鍋の種類による差はみられなかった。炒めもやしのシャッキッとした歯触り,青くささは炒め30秒が最も強く,好みは炒め90秒が最も好まれた。炒め時間30秒では,下処理後に炒めた方が,生もやしを炒めたものより好まれた。