著者
河村 フジ子 高柳 茂代
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.147-151, 1989-06-20
被引用文献数
5

ゼラチンとカラギーナンの混合比を4:0、3:1、2:2、1:3、0:4として混合全量が4%になるように調製したゾルとゲルの特性について研究した結果を要約すると次の通りである。1)ゾルの温度を下げてゆくと、ゼラチンゾルは、ある一定の温度付近で急速に粘度が上昇してゲルかゲル化する。しかし、カラギーナン混合ゾルはゼラチンゾルより、粘度上昇開始温度が高くて、その後の粘度変化が緩慢となる。2)ゾルの温度を凝固温度に近づけると、ゼラチンゾルは、時間とともにチキソトロピー性から逆チキソトロピー性に移行するのに対して、カラギーナン混合ゾルはチキンソトロピー性のみ顕著に表われる。3)ゼラチンゲルに比べて、カラギーナン混合ゲルはカラギーナンの混合比が高い程軟らかくなり、凝集性と付着性が低下する。4)ゲルを30℃以上に保持した場合、ゼラチンゲルに比べてカラギーナン混合ゲルは崩壊しにくい。5)ゼラチンゲルは、冷却保持時間の経過に伴い、漸次硬さを増すが、カラギーナン混合ゲルは、冷却2時間で硬さがほぼ平衡状態になる。

言及状況

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こんな論文どうですか? カラギーナン混合ゼラチンゾルとゲルの特性(第1報) : 混合比の影響,1989 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001170900

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