著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
3

We prepared cake batter for sponge and pound cakes with both 120 and 190 gram in weight in 12cm round cake pans. Cakes were baked under six different baking temperatures from 150°C to 200°C with 10°C intervals.We examined how the temperature shifted inside these cakes during baking under pre-set baking temperature and also the effect of temperature changes on the final shape of the product, as a cake rose while baking.We conclude from the results of our experiments as follows:1) In all cases, the higher the baking temperatures were, the faster the inner temperature of cakes rose.2) The sponge cake of 120g had the fastest rising speed of inner temperature. The sponge cake of 190g had the second faster speed and the pound cake of 190g had the slowest one.3) It became clear that there were three stages in the changing pattern of the temperature. The first stage was until the temperature at the point of 1cm from both edge and bottom of the cake, became stable. The second stage was until the core temperature stabilised. The third stage was up to the completion of baking. A sponge cake rose mainly in the first stage (93-103% of the final height), barely did so in the second stage and became flat on the top. A pound cake rose to 77-84% of the final height in the first stage and kept on rising also in thes econd stage until it formed a mountain like shape on the top.4) It can be concluded that the suitable temperature for baking sponge cake is around 160°C and that for pound cake about 180°C.
著者
市川 富夫 飯沢 裕美 津田 明子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.400-402, 1987-12-20

1)野菜を次亜鉛素酸ソーダで殺菌したとき生成するクロロホルムを除去する方法について検討した。処理野菜を十分に水洗するかまたは冷凍庫にて48時間保存することにより、生成したクロロホルムの大部分を除去することが出来た。2)次亜鉛素酸ソーダ処理した野菜のビタミン含量について検討した。千切りに刻んだキャベツではビタミンB_1、B_2、Cの50%前後が処理により破壊したが、包丁を入れていない春菊ではビタミン類の、破壊は全く認められなかった。3)野菜の次亜鉛素酸ソーダによる殺菌はカット野菜ではなく、包丁などで切っていない野菜について行い、その後十分に水洗することにより、食品衛生上、栄養面の両方において不都合なく行えることが明らかとなった。
著者
宮本 悌次郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.159-166, 1992-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
37
被引用文献数
2

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著者
太田 静行
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.117-120, 1975-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17
著者
奥田 和子 渡邊 裕季子 倉賀野 妙子 河辺 達也 長浜 源壮 森田 日出男
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.81-85, 1990-02-20
被引用文献数
2

米重量に対して1.7%の本みりんを添加して炊飯した本みりん添加炊飯米の調理特性を、官能検査と物性測定の両面から検討した。本みりん添加炊飯米は水炊飯米に比べて、「外観」「粘り」「かたさ」「うまみ」「総合評価」において良好であり、好まれる比率が高いことを認めた。「香り」と「甘み」では好みの差がみられなかった。定速圧縮試験でえられた初期弾性率、総仕事量、付着エネルギーは、本みりん炊飯米の方が水炊飯米よりも大きく、官能検査でえられた「こしやねばりがありつぶれにくい」という評価とよく対応した。本みりん添加炊飯米の水中落下速度が水炊飯米に比べて速かったのは、表面の滑らかさに起因しているものと思われる。両米飯の水分含有率、重量増加率ではほとんど差がみられなかった。粘りの少ない食味の劣る米に対して本みりんを添加すると、うまみ、物性、香りを向上させることを認めたが、その作用機作については現在検討中である。
著者
江間 章子 貝沼 やす子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.198-205, 1990-05-20
被引用文献数
9

夏みかん及び甘夏みかんの果汁を加水量の20〜60%加え、直接炊き込む方法により炊飯を行った。結果を以下に要約する。1)加熱による色、風味への悪影響はなく、炊き上がった飯はうすいみかん色と適度な酸味を呈し、加える果汁割合を考慮すれば官能的に良好な飯となった。夏みかんでは加水量の40%、甘夏みかんでは60%の添加割合が好ましいものであった。2)果汁を加えた飯は、粘りが強くやわらかい飯となった。また、つやの測定値が高く、顕微鏡観察では飯粒周辺部に濃厚に見える付着物がみられ、つやや粘りとの関係が示唆された。3)飯粒中の酸の浸透状態は果汁割合の多い飯ほど、飯粒表面付近の酸量が多く、この酸の働きにより表面組織の状態にも違いが生じ、テクスチャーなどの差として測定されたと思われる。以上、果汁添加による飯の性状の変化が観察され、食味上、好ましい果汁の添加割合が明らかになった。また、本法による炊飯は簡便であり、果汁を多く使用できるため、炊き上がった飯のみかん色を生かした調理が期待できる。付着性の増加などの特徴を粘りの少ない品種の米や古米に生かすことができればこれらの米の利用価値を高めることも可能であると考えられるため、今後さらに検討を進める予定である。
著者
横川 洋子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.223-227, 1989-09-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
2

Deterioration of the sardine lipids and decrease of eicosapentaenoic acid (EPA) and docosahexaenoic acid (DHA) during various cooking procedures were examined. Oxidative deterioration was evaluated by the measurement of POV, CV, AV, and the EPA and DHA contents in the lipids were determined by gas chromatography.The results obtained were as follows: (1) In boiled or grilled sardine lipids, POV and AV showed almost no change, but CV increased twice. (2) POV and CV in fried sardine increased, and however, its AV did not. (3) While POV, CV and AV in pickled sardine stored for 1 hr and 2 days increased 4times, the increase of POV and CV stored in vineger added with lemon juice for 2 days was suppressed. (4) POV in bottled sardine showed a great increase during 2 months, and then decreased. CV sdowed almost no change. (5) The differences in EPA and DHA contents were observed among the various ways of cooking.
著者
瀬戸 美江 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.102-105, 1993-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
14
被引用文献数
4

The oxidative deterioration in refregerated dried sardine was evaluated periodically by several methods as follows:1) Water content was almost constant during 20 days of storage.2) Fat content, POV, CV and organic solvent-soluble fluorescence reached maximum the level after 13 days of storage and then decreased.3) The measurements of intensities of browning of lipids and fluorescence of protein-bound compounds were found to be good indications of oxidative deterioration of dried sardine.
著者
川端 晶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.70-79, 1972-06-20
被引用文献数
1

果実ペクチンの性状と、そのゼリー特性について見当した結果、次のような結論を得た.(1)新鮮果実の総ペクチン含有量は、柑橘類はいずれも高く、金柑のパルプ3.13%、果皮1.84%、柚子のパルプ3.76%、果皮2.96%、仏手柑2.60%であった。梅0.37%、桃0.39%、桜桃0.47%、でいずれも低く、すぐりは0.51%、マルメロ0.75%でやや高い値を示した。(2)分離調整したペクチン質の科学的性状中でとくに、無水ガラクチュロン酸の含有量は、金柑ペクチン64.11%、柚子ペクチン56.57%、仏手柑ペクチン57.12%、梅ペクチン55.44%、桃ペクチン46.42%、桜桃ペクチン54.25%、で無水ウロン酸として、すぐりペクチンは45.72%、マルメロペクチンは48.69%であった。ゲル形成に影響を与えると考えられているメトキシル基含有量は、柑橘類ペクチンは一般に高く、金柑ペクチン13.57%、柚子ペクチン12.73%、仏手柑ペクチン11,41%で、低いほうでは、梅ペクチン9.40%、桜桃ペクチン9.21%であった。(3)糖濃度別S.ペクチンゼリーの特性では、65%糖濃度のものがゼリー強度が最も大であった。酸濃度別S.ペクチンゼリーにおいて,クエン酸濃度0.1%以下では,ゼリーをつくらず,O.2%で最高のゼリー強度を示し,O.4%以上ではゼリー強度がいちじるしく弱められた。各種ベクチンの濃度別ゼリーにおいて,0.25%では液状またはのり状を呈し,S.ペクチンは0.5%以上,R.ペクチンは0.75%以上でゲルを形成するが,L.M.ペクチンでは,1.25%,1.5%ではじめて軟らかいゼリーをつくった。(4)果実ペクチンのOKADA gelometerによるゼリー特性において,調製法別では,いずれの試料においても,Acid in glass法によるものが,ゼリー強度がもっとも大で,破断の際の変形も少なく,α角,β角ともに小さい傾向を示した。Acid in boil法によるものが,それにつづき,Cooking jellyではゼリー強度が小さく,α角,β角ともに大で,やや異なったゼリー特性を示した。試料間では,柑橘類の金柑,仏手柑,および梅,マルメロペクチンがゼリー強度が大で,弾性のあるゼリー特性があると考えられるが,桃および桜桃ペクチンは,上記ベクチンにくらべてゼリー強度がかなり小さい。(5)果実ペクチンのCurdmeterによるゼリー特性においても,Acid in glass法によるものが,もっとも硬く,破断力も大で,Acid in boil法によるものがそれにつづくが,Cooking jellyでは,柔らかく,粘稠性を示すものもあった。試料間では,梅ペクチンがいずれの調製法による場合でも破断力の大きいゼリー特性を示し,金柑,仏手柑ペクチンではCooking jellyのみが粘稠性を示し,柚子,桃,桜桃ペクチンでは,いずれの調製法によるものも,粘稠性を示した。(6)メトキシル基含有量とCurdmeterによる硬さの関連性について,総体的にはいずれも9%以上の高メトキシルペクチンであり,硬さの値が大であったが,桜桃,桃,ペクチンゼリーとAcid in boil法による柚子ペクチンゼリーが,高メトキシルペクチンにもかかわらず,かなり小さい値を示した。水素イオン濃度とゲル化力,分子量の大小とゲル強度およびエステル化率とゲル形成速度などについて,今後検討を加えたい。最後に,本研究に関し終始御懇篤なる御指導をいただきました国学院大学木原芳次郎教授に深謝いたしますとともに実験に御協力下さいました百瀬晴子氏,沢山茂氏,土佐春代氏に感謝申し上げます。