著者
高木 正剛
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.5-10, 2005-03

僧帽弁位機械弁装着した30才女性に対しワーファリンをヘパリンの自己注射(皮下注)に代替し妊娠前より妊娠36週まで約14ヶ月間を管理した. 妊娠15週までは良好な経過であったが以後は顕著に凝固能亢進しAPTTは正常値に近づいた. しかし全血凝固時間は38分以上に延長しており,D-ダイマーは正常妊娠時の範囲内でありFDPも正常値であったためヘパリンは最高2.3×10 単位に抑制出来た. 出産は妊娠38週に帝王切開で行なわれ正常男児が得られた. ヘパリンによる母親への副作用は特に認めずヘパリン抗体も認められていない. ヘパリン自己注射による妊娠管理は決して安全容易ではないが,それぞれの症例に応じて細やかに対応することで可能であり,入院期間の短縮につながると思われた.

言及状況

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こういうのか。たしかに自己注射ができたか。 https://t.co/4lC9aAq81v

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