著者
登張 真稲
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.143-155, 2005
被引用文献数
4

本研究の目的は,女子大学生,大学院生を対象に共感喚起過程と感情的結果,特性共感の次元の関係と,状態共感に対する相手との性の類似度と心理的重なりの効果を検討することである.2種類のビデオ刺激に対する反応をもとに自動的共感,役割取得,並行的感情反応,他者指向的反応,不快反応の尺度が作成された.共感喚起過程と感情的結果の変数間の関係を検討したところ,並行的感情反応は自動的共感によって,他者指向的反応は自動的共感と役割取得によって有意に説明された.特性共感の次元と状態共感の変数との関係では,共感的関心は自動的共感,役割取得,並行的感情反応,他者指向反応を予測するなど,特性共感の下位尺度は感情的結果の変数だけでなく共感喚起過程の変数を予測した.状況要因と共感喚起過程,感情的結果との関係では,自動的共感,役割取得,並行的感情反応,他者指向的反応は心理的重なりがある場合のほうがない場合より高かったが,性の類似度は共感喚起過程と感情的結果の変数に効果をもたなかった.

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