著者
西風 脩
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.183-208, 1993
被引用文献数
14 1

H. Selyeはストレスをthe rate of wear and tearとした. 私たちは, 生物は無生物と異なり, エネルギー変換のもと, 摩耗(wear and tear)と修復(repair and recovery)の動的平衡においてその生を営むものとし, 生体適応能の把握は少なかれ摩耗と修復の両面よりもってすべきものとする考えのもとに, 17-OHCSを摩耗関連因子と捉え, 修復関連因子を他にもとめた. そのひとつが17-KS-Sである. 17-KS-S, 17-OHCS両者の同時測定は, ストレッサーによりもたらされた生体の歪み(適応の歪み)の把握を可能にし, 個々人の疾患の存在, 疾患に対する感受性に関る情報提供の客観的手法として有用であり, 特に今日の産業医学領域において, 医療関係者, 健康官理者に対し, 臨床検査に異常を認め得ない心理社会的ストレス下の生体におけるストレス原因の究明とその対応を提起する可能性が大きく, 本領域における本方法の適用が望まれる.

言及状況

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こんな論文どうですか? 適応の歪み ―摩耗と修復―:―17-KS硫酸の意味するもの―(西風 脩),1993 https://t.co/NuBpo4m3zi H. Selyeはストレスをthe rate of wear and tearとした. 私た…

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