著者
勝目 康裕 吉塚 光明 今山 裕康 宮崎 道雄 藤本 淳
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.441-448, 1983-12-01
被引用文献数
4

今回われわれは鈍的打撃後のサル水晶体の後嚢下水晶体線維に生じた限局性混濁が, ヒトの打撲白内障水晶体にみられる混濁のパターンに一致することを臨床的に確認し, 電子顕微鏡により混濁部の観察を行った. 観察の結果, 混濁部に一致する後嚢下水晶体線維の細胞間隙が開大し, いわゆる, "hydropic cell"へと変性していく水晶体線維が認められる一方, 細胞内に糸粒体を始めとする細胞小器官を増加させた水晶体線維もみられた. 以上の結果から, 打撃による鈍的外傷の結果, 水晶体後嚢下の水晶体線維に水分の貯溜が惹起され, 初期の間は水晶体線維が防御的に水分の細胞外移動を行うものの, いずれは "hydropic cell"へと変性していくものと考えられ, 各種自白障同様, 打撲白内障においても,"hydropic cell"の出現が発症に重要な役割を果たすことを確認した.(1983年8月12日 受付)

言及状況

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こんな論文どうですか? 英文実験的打撲白内障水晶体の電子顕微鏡的観察(勝目康裕ほか),1983 http://id.CiNii.jp/FSM4L

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