著者
永田 順也 藤本 淳也 松岡 宏高
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.44-51, 2007-03

本研究の目的は、元大阪近鉄バファローズファンと元オリックスブルーウェーブファンの特性の違いを明らかにすることである。調査は、2005年8月20日、大阪ドームにおいて、プロ野球球団オリックスバファローズに対して行った。調査用紙は、試合の観戦者に配布した。試合開始前に539部回収し、その内505部(93.7%)が有効回答であった。比較分析の結果は、元大阪近鉄バファローズファンの選手に対するロイヤルティと地域に対するロイヤルティの値が元オリックスブルーウェーブファンより有意に高いと示した。それに対して、元オリックスブルーウェーブファンのチームに対するロイヤルティの値が元大阪近鉄バファローズファンより有意に高いという結果を示した。
著者
石田 慎也 藤本 淳也 松岡 宏高
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.52-60, 2007-03

本研究の目的は、スカイマークスタジアムと大阪ドーム間のオリックスバファローズの試合観戦者比較によって、プロ野球球団のエリアマーケティングを行うための基礎資料を明らかにすることであった。調査は、2005年8月13日にスカイマークスタジアムで行われたプロ野球球団のオリックスバファローズの試合と、2005年8月20日に大阪ドームで行われたオリックスバファローズの試合で行った。スカイマークスタジアムと大阪ドーム間で比較分析が行われた。有効回答はそれぞれ505部(93.7%)と486部(99.0%)であった。今回の結果から、それぞれの地域における観戦者の異なる特性が見られた。エリアマーケティングの応用と、スポーツマーケターのそれぞれの地域における観戦者の異なる特性の理解を高めるための示唆が討論されている。
著者
梅本 祥子 松岡 宏高 藤本 淳也
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.169-175, 2008-03

The purpose of this study is to indicate career patterns and career orientations of youth players in J-league clubs. Questionnaires were distributed to 122 players over different four J-league clubs resulting in 100 (81.9%) usable data. In order to identify the usable participants, we used longitudinal method for the players' career patterns and comparison analysis of player's motives and career orientations for J-league youth clubs. The main results of our study were as follows: ●In the J-league youth clubs, 55.6% of players came from J-league junior youth clubs, whereas 31.3% of players came from other clubs, and 13.1% of players came from junior high school team. ●The comparison analysis of motives for J-league youth clubs showed no significant findings among three groups from junior high school, except for those that "used be a fan of the team." ●84.0% of the players of J-league youth clubs would like to play for a top team in the J-league in near the future and approximately 70% of players want to find a job related to soccer (e.g., coach, team staff, and so on).
著者
中村 達也 北 洋輔 藤本 淳平 甲斐 智子 稲田 穣 鮎澤 浩一 小沢 浩
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.205-213, 2018-12-31 (Released:2019-04-30)
参考文献数
32

【目的】本研究では,重症心身障害児者の咽頭期嚥下の特徴を,嚥下時舌骨運動を健常成人と比較することで明らかにすることを目的とした.【対象と方法】健常成人24名(健常群)と重症心身障害児者24名(障害群)について,嚥下造影検査(VF)を用いてペースト食品3~5 mLの嚥下を撮影し,30フレーム /秒で動画記録した.第二および第四頸椎を基準線とした座標面を設定し,VF動画をフレームごとに解析することで,舌骨の挙上開始時から最大挙上時までの前方・上方・総移動距離,移動軌跡,下顎 ―舌骨間距離を測定した.さらに,舌骨移動時間を各対象者について共通の時間単位に線形変換後,舌骨運動を挙上相と前進相の段階に分けた.そして,健常群の平均値95%信頼区間下限値を基準値とし,挙上相で基準値を下回った者を挙上相後退群,前進相で下回った者を前進相停滞群と群分けし,評価結果を一元配置分散分析で群間比較した.【結果および考察】挙上相後退群は12名,前進相停滞群は7名であった.分散分析および多重比較の結果,舌骨の前方移動距離は,健常群が挙上相後退群(p<0.01)および前進相停滞群(p<0.01)に比較して有意に大きかった.舌骨の上方移動距離は,挙上相後退群が健常群に比較して有意に大きかった(p<0.01).下顎 ―舌骨間距離は,挙上相後退群が健常群(p<0.01),前進相停滞群(p<0.05)に比較して有意に大きかった.この要因として,挙上相後退群は腹側舌骨上筋群の筋の延長による筋出力低下,前進相停滞群は舌骨下筋群の伸張性低下または低緊張による筋出力低下が考えられた.【結論】重症心身障害児者には,舌骨が主に上方に移動すべき時期に後方に牽引される群と,主に前方に移動すべき時期に移動距離が不足する群が存在した.
著者
藤本 淳也
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.6-16, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
42

スポーツマーケティング研究は,国内外のスポーツマネジメント学の主要研究分野として,スポーツビジネスを対象としたマーケティング研究として経営学や商学においても取り組まれている。これらの学問分野はオープンイノベーション的に考えると共創相手であり,スポーツマーケティング研究の発展のためには,共に「スポーツマーケティングとは何か」について問い続けることが重要である。本論では,その一助とすることを目指し,スポーツビジネスと学問としてのスポーツマーケティングの発展の背景を示し,日本のスポーツ界の現状を考慮したスポーツマーケティングの定義について議論する。そして,スポーツマーケティングの特徴はスポーツプロダクトとスポーツ消費者にあることを指摘し,それぞれの特異性について論じ,今後のスポーツマーケティング概念の発展の方向性について述べる。
著者
藤本 淳也
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.57-72, 2006-03

The purposes of this study were to identify the process of becoming a fan of a professional baseball team and to examine the transformation of fans' attitudes by using the longitudinal interview method. The interviews of five fans of the Osaka Kintetsu Buffaloes were conducted from August 27^<th> to September 5^<th>, 2005 (first interview)and from November 9^<th> to December 2^<nd>, 2005 (second interview). The results of the interviews indicated that the primary factors of becoming a fan of the team were location, game attendance experience, players interest, reference group and the allegiance of other family members. Furthermore, the results showed that the attitudes of fans toward the team wavered during, before, and after the bankruptcy of the Osaka Kintetsu Buffaloes.
著者
藤本 淳也 冨山 浩三 古澤 光一 古澤 光一
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

地域の自治体やスポーツ組織は、地域社会貢献の重要性と、地域スポーツ振興のためのスポーツ組織間連携の必要性を認識している。また、地域のスポーツ消費者を対象とした調査から、地域に対する愛着心は、各スポーツ組織に対する態度と密接に関係していることがわかった。地域に存在するスポーツ組織を有機的に関連付けることによって、地域のスポーツ消費者を刺激し、地域スポーツ振興を効果的に展開できる可能性が示唆された。
著者
和田 由佳子 松岡 宏高 藤本 淳也
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
pp.2022-001, (Released:2022-05-18)
参考文献数
50
被引用文献数
1

After the 2015 and 2019 Rugby World Cups, the Japan Rugby Top League games attracted many new fans including female fans and niwaka fans (bandwagon fans/fair-weather fans). Understanding the characteristics of game attendees could be crucial to retain new fans and expand the fan base. The purpose of this study was to categorize attendees into four segments according to gender and fan types and to compare their characteristics, motivations for attending games, and knowledge of rugby. Data were collected from seven games at five venues from January 12 to 26, 2020. The four segments—male niwaka fans, female niwaka fans, male regular fans, and female regular fans—were compared by one-way analysis of variance. It was found that male regular fans had supported rugby since 1980, while female regular fans appeared after the 2015 Rugby World Cup. Further, the motivations of female niwaka fans and regular fans were different.
著者
中路 恭平 藤本 淳也 間野 義之 本間 浩輔 齊藤 隆志
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会号
巻号頁・発行日
no.54, 2003-08-26

オリンピックや各種競技会において、プロスポーツ選手のオープン化が進んでいる。そしてがんばれニッポンキャンペーンの適用除外選手にみるように、競技選手自らもプロ宣言するようになった。今日では世界レベルを目指した競技スポーツがプロスポーツと大きく関連していることは否めない。また競技力向上ばかりでなく、プロスポーツはスポーツを広く振興するうえで重要な役割を担う。スター選手の活躍が人々に希望と感動を与え、子供には夢を与え、あこがれの選手の活躍が競技活動の動機付けとなっている。そして、その人気が入場料や放映権料収入などクラブや球団経営を支える大きな要素になっている。
著者
江原 謙介 藤本 淳也 福田 一儀 松永 敬子 鳥山 稔 河野 真輝
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_183-2_196, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
26

This research compared university student-athletes and other university students to analyze differences in attitudes towards COVID-19. The objective was to examine the impact of student-athletes′ attitudes on their future athletic activities and perform verification that will contribute to the deliberation and creation of university support measures for student-athletes. Google Forms were used to administer an online questionnaire to university students nationwide. The responses to questions on the questionnaire were recorded on either 5 or 8 point scales, as well as open-ended questions without word limitations at the end of the questionnaire. The results were analyzed by separating results into two cohorts; student-athletes and other university students, and then categorizing responses to each question as positive or negative. Cross-tabulation was used and then Fischer′s exact test was performed. To analyze the open-ended questions, KH-Coder3 software, which excels at Japanese analysis and is used in a great deal of research, was used. The analysis found a significant difference for some questions. In particular, a greater percentage of student-athletes than other university students felt unease regarding infection at university facilities, the impact of infection on university life, and the impact on activities from April 2020 onwards. Some of the reasons for the higher percentage of responses indicating unease were the lack of transparency in student life, with universities not defining clear approaches.
著者
藤本 淳平 中村 達也 豊田 隆茂 岸 さおり 稲田 穣 上石 晶子
出版者
日本言語聴覚士協会
雑誌
言語聴覚研究 (ISSN:13495828)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.95-103, 2019-06-15

重症心身障害児者における下顎の安定性が咽頭期嚥下に与える影響を探ることを目的に,口腔期の舌運動(前後・上下)の違いによる嚥下時の下顎運動および舌骨運動の差異を比較した.対象は重症心身障害児者10名とし,口腔期の舌運動が前後動である5名(男性4名,女性1名:15.8±20.6歳)を前後動群,上下動である5名(男性2名,女性3名:27.2±16.2歳)を上下動群と割付けた.対象者のペースト食品3〜5mlの嚥下を嚥下造影検査で撮影し,下顎と舌骨について運動方向(垂直方向,水平方向)ごとの移動距離および移動時間を計測した.結果,下顎運動では,下制および後退距離が上下動群に比べて前後動群で長かった(p=.009).舌骨運動では,最大挙上位(p=.007)および最大前進位停滞時間(p=.011)が上下動群に比べて前後動群で短かった. これより,前後動群は嚥下時に下顎の固定が不十分なため,舌骨の最大挙上位および最大前進位における停滞時間が短かったと考えられた.
著者
藤本 淳 木田 景子 宇野 太啓 池邊 晴美 谷口 一男 野口 隆之
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.400-403, 1999-07-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
11

貼付用リドカインテープ(ペンレス®)は,患者に疼痛を与えない局所麻酔を目的として開発されたテープ剤である.今回,健康成人ボランティア20人を対象として,リドカインテープによる表在痛及び深部痛の疼痛閾値の変化を測定し,プラセボと比較して評価した.表在痛の疼痛閾値はリドカインテープ群がプラセボ群に比較して有意な上昇を示したが,深部痛では両群間に有意差はみられなかった.リドカインテープは表在痛に対して有効であり,使用法が簡便であることや患者の苦痛を伴わないことから有用な鎮痛法であると思われた.一方,深部痛に対しては有効性は認められなかったが,貼付法•貼付時間の点からさらに検討の必要があると思われた.
著者
藤本 淳 山林 一 一之沢 昭夫 外村 舜治
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.571-576, 1964-08-15

はじめに 肺の生理機能は酸素を摂取し炭酸ガスを排出する事で,肺疾患の治療もこの機能を果たさせる事に多大の関心が払われている。ガス交換に関与するのは肺胞であるが,肺胞に出入するガスが通る気道が正常であつてこそ肺胞機能が完全に維持されるのであり更に気道は肺胞機能を行うのを完全にさせる機構をもつているといえる。即ち健康人は極寒の環境で寒冷空気を吸入しても障害なく,上気道に認められる各種の細菌も下気道に至れば存在しない事等合目的的に作動している事が認められている。要するに気道系は単にガスの通路となつているのみならず,塵埃や微生物を濾過浄化すると共に,吸入空気の温度湿度調節を行なつているのである。然し気道系に炎症等の病変を生来すると呼吸器系症状を訴え,肺機能障害を惹起するに至る。この気道系の疾病に対し内服療法が行われているが,気道系が外界に通じている事を利用し,外界より治療せんとする事が試みられた。又酸素吸入等の乾燥ガスを吸入させる時には,温度湿度の調節を行う必要がある。この為に開発されたのがエロゾル療法とよばれるものである。エロゾルとは0.5〜3μの水溶液の小粒子の浮遊状態にあるものである。本論文ではエロゾル療法の臨床の実際について記述する。
著者
土肥 良秋 工藤 秀明 西野 朋子 藤本 淳
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.409-417, 2003-12-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
1

新生血管形成(広義の血管新生)機序は血管発生(vasculogenesis)と血管新生(angiogenesis, 狭義の血管新生)に大別される. 前者は未分化間葉細胞が既存血管周囲に索状に集積し, 血管内皮前駆細胞に分化しながら血管に編入する血管形成機序を指し, 後者は既存血管内皮細胞が増殖・遊走して血管発芽(vascular sprouts or endothelial buds)を示す血管形成機序を指す. 血管発生は胎生期の初期の新生血管形成に限られ, その後は血管新生のみが行われていると考える研究者が多かった. しかし, 近年, 成体の末梢血中に血管内皮前駆細胞が存在することから, 成体でも血管発生が行われることが証明され, 目下, 新生血管形成機序の見直しが行われている.