著者
大石 真一
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.493-502, 1983-12-01

1810年代から1920年代にかけて, 約三千万のヨーロッパ人がアメリカへ移住した. この夥しい移動の最大原因としては, 急激な人口の増加, 封建的土地制度による圧迫, 経済の近代化の3つが挙げられる. ここでは, これらの三大原因を考察し, さらに, さまざまな個人的理由や宗教的, 人種的差別, さらに少数派に対する差別をも論じた. また, 当時の二大発明であった汽船と鉄道について, その移民に及ぼした功罪に言及した. 移民は本来, 歴史的事象であるが, この小論では, むしろヨーロッパの貧しい人々が, 如何にして移住せざるを得なかったか, その原因について人文学的に考察した.

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