- 著者
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夏目 誠
- 出版者
- 一般社団法人日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.2, pp.101-109, 2005-02-01
平成2年から15年までに受診した企業におけるリストラクチャリングが発症要因になった34名(男性23名)のストレス関連疾患者について検討した. 得られた結果は以下のとおりである. 1. 年代は50歳代が13名と最も多く, 次いで30歳代の9名, 40歳代の8名と続く. 2. 発症要因 1)職場要因:最も多かったのがプロジエクトチームなどによる新規事業開発を担当させられた13名であり, 次いで部課や営業所, 工場などの統廃合が9名にみられた. 人員削減は30名と多くに認められた. 2)個人要因:性格傾向では几帳面, 生真面目で融通性が乏しい人が17名と半数にみられ, エネルギーがあり, 頑張るタイプと受け身で消極的な人がおのおの8名であった 3. 診断と治療, 予後 1)診断では適応障害が22名で, うつ病が7名, 心身症が5名であった. 2)予後は軽快が16名と最も多く, 良好が13名, 不変が5名であった. 4. 職場要因を中心に発症メカニズムから以下の2タイプを考えた. 1つはプロジェクトチームなどによる新規事業担当者で, 几帳面, 生真面目で融通性の乏しい性格特徴に発症するタイプであり, 他は組織統廃合ストレスと受け身で消極的なタイプによるものである. 上記の結果について, 臨床的観点から考察を加えた.