著者
星野 聡
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.440-453, 1974-09

十二指腸潰瘍および胃・十二指腸潰瘍症例100例の切除標本に対する検索と, 十二指腸潰瘍症例149例の直視下狙撃生検標本657個に対する検索とから十二指腸潰瘍の病期判定について検討した. 切除標本の検索から十二指腸潰瘍の病期を活動性潰瘍, 治癒化潰瘍,治癒瘢痕潰瘍および再発再燃潰瘍の4つに分類した. おのおのの病期に観察される潰瘍辺縁の再生粘膜上皮の形態は潰瘍の治癒経過とよく一致することが証明された. 生検標本の検索から, 部位を定めた多数個生検を行えば, おもに再生粘膜上皮の形態から, 切除標本と同様に活動性潰瘍, 治癒化潰瘍, 治癒瘢痕潰瘍の3つに分類される. 生検による病期診断と切除標本の病期診断とはかなり相関することが判明した. このことから生検併用の病期診断は臨床診断を正確・緻密にし, 診療上有用であると考えられる. さらに経時的な1カ月間隔2回生検の結果, 潰瘍の動的な病態が把握でき, 治療効果の判定や外科的適応の決定に応用できることが示唆された. また生検から再発再燃潰瘍を予知できる可能性も示唆された.

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RT @y_kaibun : 腸の病、いまや脳予知。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001337056 by まやこ
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