著者
稲垣 卓造
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.78-87, 1987

高層集合住宅の外部色彩に関する調査を, 名古屋市内の二つの区において実施した。その結果は次のとおりである。1)基調色については, 高明度低彩度色が全体の75%強を占めた。他の4分の1弱が中, 高彩度色であり, それらの70%強がタイル仕上げによるものであった。2)アクセント色は, バリュー・クロマ図上で基調色と比べ広く分散しているが, 低明度低彩度部分に小さな集中が見られた。またヒューのピークがYR系に移行していた。3)アクセント色の部位に関して, そのいくつかは使われる色彩の範囲がかなり限られていた。4)アクセント色のほとんどが, その基調色より低明度低彩度であったが, 二, 三の部位のアクセント色についてはそれ以外の傾向を示した。5)中, 高彩度色を基調色にもつ場合, その建築の色彩以外の属性(仕上げ, 住戸数, 竣工年, 所有形態など)によって規定されやすい。また, アクセント色の部位についても同様の傾向が強いものがあった。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

高層集合住宅の外部色彩に関する研究 (第18回全国大会特集号) https://t.co/ZPOXDM3Ykf

収集済み URL リスト