著者
井上 征矢 山本 早里 三井 秀樹
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.100-112, 2003-06-01
被引用文献数
1

幾何学的抽象絵画において縁辺対比の効果が強く見える主なパターンとしては、「Hermann grid」、「グラデーション」、「色の面積比の変化」、「ストライプにおける色ずれ」などが挙げられる。これらは明度差によって作成した場合に最も強い縁辺対比を生むことが知られており、絵画やデザインなどの視覚表現にも頻繁に応用されているが、色相差、彩度差による効果に関する知見は少ない。そこで本研究では彩度差による縁辺対比に注目し、実験を通じてその特性を探ったところ、以下のような傾向が得られた。1)彩度差による縁辺対比は、「グラデーション」や「色の面積比の変化」では色相に関わらず効果が見えやすいが、「Hermann grid」では比較的効果か弱く、見えにくい。2)各パターンともに色相によって効果の強度に差があり、赤で強く、縁で弱い。3)「Hermann grid」や「ストライプにおける色ずれ」を彩度差で作成する場合、明度差で作成する場合よりも、線幅やストライプ幅をやや広くした方が効果が見えやすい。

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