著者
盛田 真千子 香川 幸子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-12, 1993-05-01
被引用文献数
4

慣用色名は誰にでも理解され, 色が想像できるものでなければならないのだが, 時代変化の激しさと, 多様化, 個性化の進展している社会のなかで, 認識が必ずしも一致するとは限らない。そのため, 色名かどのように認識されていろか, また, その認識に影響を及ぼす諸要因について, 若年層の男子に調査を実施し, 第1報, 第2報と比較検討した。若年層の男子においては, JIS Z 8012から選出した105語の慣用色名で, 認識がされている色名は53.3%, 認識があいまいな色名は18.1%, 認識がされていない色名は28.6%であった。被調査者の生活意識の因子分析では7因子が抽出され, 因子の構造に男女間で差がみられた。男子は女子より, 経済や外国の文化に関心が高く, 手工芸には関心は低い傾向にあった。男子の色名の認識度は, JIS S 6028, JIS S 6026, JIS S 6006などの顔料に直接, 記名されてある色名で, 認識が高かった。女子は男子より色名の色を正確に把握し, 色名も多く認識していた。これは, 女性の服装色や色に対する関心が高いことが, 影響していると考える。また, 文化や生活環境と深く結びついた色名が, 高い認識につながり, 暖色系統の色名は, 寒色9紫系統の色名より認識されやすい傾向が, 男子の調査でもみられた。

言及状況

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男女で比べると女性の方が平均してやや色彩認識に優れるのはホントなんだろうな。http://ci.nii.ac.jp/naid/110001710903/en/ これとは別に立体把握とかは男性の方が点高く出る傾向あるわけだけど。遺伝よりは生活環境もあるんだろう。

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