著者
鈴木 直恵 香川 幸子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.155-162, 2015-02-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
8

本研究の目的は,若年層女子の脚部の露出意識に着目し,脚部に関する意識や靴下に求められるデザイン性および靴下がファッションにおいて重要な位置を占める理由を明らかにすることである.アンケート調査結果から,ファッションスタイルはカジュアル系が約半数を占め,おしゃれへの関心度も非常に高いことが分かった.3割以上が日常的にミニスカートを着用し,自分の脚部の露出に関しては8割近くが気にしておらず,異性が脚部を見てもなんら抵抗も持たないことが分かった.ただ,下着が見えることには抵抗があり,また,靴下は安価であるため,コーディネートやイメージ作りが簡便に行うことができ,ファッションにおいて重要なアイテムであると認識していることが明らかになった.
著者
盛田 真千子 香川 幸子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-12, 1993-05-01
被引用文献数
4

慣用色名は誰にでも理解され, 色が想像できるものでなければならないのだが, 時代変化の激しさと, 多様化, 個性化の進展している社会のなかで, 認識が必ずしも一致するとは限らない。そのため, 色名かどのように認識されていろか, また, その認識に影響を及ぼす諸要因について, 若年層の男子に調査を実施し, 第1報, 第2報と比較検討した。若年層の男子においては, JIS Z 8012から選出した105語の慣用色名で, 認識がされている色名は53.3%, 認識があいまいな色名は18.1%, 認識がされていない色名は28.6%であった。被調査者の生活意識の因子分析では7因子が抽出され, 因子の構造に男女間で差がみられた。男子は女子より, 経済や外国の文化に関心が高く, 手工芸には関心は低い傾向にあった。男子の色名の認識度は, JIS S 6028, JIS S 6026, JIS S 6006などの顔料に直接, 記名されてある色名で, 認識が高かった。女子は男子より色名の色を正確に把握し, 色名も多く認識していた。これは, 女性の服装色や色に対する関心が高いことが, 影響していると考える。また, 文化や生活環境と深く結びついた色名が, 高い認識につながり, 暖色系統の色名は, 寒色9紫系統の色名より認識されやすい傾向が, 男子の調査でもみられた。
著者
盛田 真千子 香川 幸子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.206-218, 1990-03-10
被引用文献数
5

慣用色名は時代差, 世代間差, 生活環境などの影響を受け, 同一色名でも色差が生じたり認識できなくなるという問題点がある。本研究は今日の社会で慣用色名がどのような色域で認識されているのか, また, その認識に影響を及ぼす諸要因について, 女子学生を対象にした調査から検討した。調査は JIS Z 8102から選出した105語の慣用色名に対し, 提示した色票 (153色) から該当する色票を抽出する方法で行った。その結果, 認識されている色名 (66.7%), あいまいな色名 (16.2%), 認識されない色名 (17.1%) に大別できた。また, 認識されている色名の反応色域を JIS 値と比較した結果, やや異なった色域に反応を示したものが11.4%あり, これらは主に JIS 値より高彩度に反応する傾向がみられた。同時に行った生活意識調査 (18項目) の因子分析結果では8因子が抽出された。各因子に対する被調査者の因子得点差から, 色名の認識に与える影響を調べたが, 顕著な差は認められなかった。顔料に用いられる色名やパッケージの色は, 慣用色名の認識に影響を与える要因と考えられる。調査結果でも反応色は顔料の色名の色と一致し, また, 本来の色より彩度が誇張されるパッケージの色に反応する傾向がみられた。一方, 記憶色として暖色系は寒色系より覚えがよいとされるが, 今回の結果においても暖色系の色名は認識されやすい傾向があった。
著者
香川 幸子 盛田 真千子 杉山 真理 小林 茂雄
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.589-596, 1993-07-15
被引用文献数
3

The purposes of this study were to compare awareness toward underwear items of university women and their mothers and to examine relationships between the awareness and social psychological characteristics. Date were provided in a self-administered questionnaire by 200 university women and 166 mothers. The questionnaire included a measure of awareness to underwear items (28 variables) and a social psychological characteristic measure (13 variables). Results obtained are summarized as follows : 1) University women were more interested in the current fashion of the underwears and less concerned about functional or practical aspects of them than were their mothers. 2) Responses to the awareness to underwear items were factor-analyzed separately for the women and their mothers. yielding nine factors : high-grade intention;norm consciousness;taste and preference;and so on. There were significant differences in the scores generated for eight of the nine factors between the women and their mothers. 3) Significant relationships existed in some factors of the awareness and social psychological characteristics.