著者
佐川 賢 清水 豊
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-28, 1995-02-01
被引用文献数
13

CRT画面上に呈示したパターンを用いて色彩パターンに対する人間の心理評価を(1)色彩領域の占有面積, (2)配色数, (3)色彩領域の分布, の点から検討した。全体で7つの色(赤, 緑, 青, 黄, シアン, マジェンタ, 白)が16×16のマトリクスパターン上に種々の面積, 配色数, 色彩領域の分布の規則度を変えながら配分され, 観測者はこれらのパターンについての心理評価をパターンの物理的な特性に関する評価として規則性(色彩配置の周期性), まとまり(色彩配置のかたまり具合)の2評価, さらに視覚心理の高次な判定に関する評価として, 調和, 好み, 快適性, の3評価の合計5つの項目について10点尺度で答える。実験は実験1〜4に分かれ, それぞれ(1)単一色の面積率の効果, (2)配色数の効果, (3)分布の規則度の効果, (4)これら3つの複合効果, の4つ効果を検討した。結果を総合すると, 快適性の評価値は占有面積が増えるとともに, また配色数が多くなるとともに低下するが, 分布の規則度が増すととも上昇することを示した。分布の規則度と快適性評価値との高い相関は, パターンの自己相関係数と観測者の評価値との比較においても確認された。また, 本研究で採用した5つの評価項目は, 主成分分析の結果いずれも快適性と相関が高いことが判明し, 色彩パターンの心理的な快適性の評価に有効であることが判明した。

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