著者
小林 麻子 清水 豊弘 冨田 桂 林 猛 田野井 真 町田 芳恵 中岡 史裕 酒井 究 渡辺 和夫 両角 悠作
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.138-143, 2018
被引用文献数
4

福井県内の生産者や流通業者から高く売れる米への要望が高まっていた。さらに,地球規模での気候変動の影響で,福井県でも高温登熟による玄米外観品質の低下が懸念されていた。寒冷地南部における「コシヒカリ」の高湿登熟耐性は"やや弱"とされており,高温登熟下でも玄米外観品質が安定して良好な品種が求められていた。以上のような状況を背景として,育成地では,福井県の新たなブランド米となりうる良食味で高温登熟耐性に優れる「ポストこしひかり」品種の開発を行ってきた。
著者
中岡 史裕 清水 豊弘 田野井 真 冨田 桂 小林 麻子 林 猛 町田 芳恵 両角 悠作
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.55-59, 2017 (Released:2017-11-27)
参考文献数
8

「コシヒカリ」の祖先品種を栽培し,その栽培特性と食味特性を評価した.「コシヒカリ」の父系品種は早生~中生,母系品種の多くは晩生~極晩生で,明確に分類できた.「コシヒカリ」の栽培特性は両親と比べて中間的なものが多かった.食味は母系品種で「コシヒカリ」に近いものが多かった.父系品種は粘りが弱く硬いものが多く,業務用品種の交配母本として適する可能性があった.
著者
藤原 しのぶ 春日 敦子 菅原 龍幸 橋本 浩一 清水 豊 中沢 武 青柳 康夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.191-196, 2000-03-15
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

栄養添加物の混合割合を変えることにより段階的に窒素量の異なる菌床培地を設定し,培地窒素量と子実体中の窒素量との関係について検討した.<br>菌床培地とそれぞれの培地から発生した子実体の全窒素量との間には強い相関が認められた(p<0.001).窒素量の多い菌床培地から発生する子実体ほど窒素含有量が高くなるという相関関係が,同一の栽培方法と種菌を用いて得られたシイタケについて確認された.<br>シイタケ子実体に含まれる主要な窒素含有成分(総アミノ酸,遊離アミノ酸,核酸,キチン)中の窒素量は,全て培地の窒素量と有意な相関が認められた.特に培地窒素量との相関性が高かったのは総アミノ酸と遊離アミノ酸であった.また,レンチニン酸含有量と培地窒素量との間には明確な関係は認められず,むしろ栄養添加物の種類によって含有量に差が認められた.<br>栄養添加物の種類や混合割合などの菌床培地の組成を変える試みは,現在のところ収穫量の増加を主な目的としているが,発生する子実体の質も制御できる可能性が示唆された.
著者
清水 豊禾 金子 成彦 草鹿 仁
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>Recently, traffic accidents due to the sudden change in the physical condition of the driver is attracting attention. In our previous study, we constructed a cardiovascular model capable of reproducing the mechanism of a cardiovascular system, and calculated biological signals by assuming sudden diseases in the model. In the cardiovascular model, stroke volume, the blood volume pumped by a heart per beat, is determined based on the operating conditions of the system considering the positions of baroreceptors and pressure sensors of a cardiac system in blood vessels. However, the simulated result did not well reproduce the measured pulse wave signal. In this study, we reexamined the treatment of bifurcation part of the blood vessel and successfully improved the accuracy of the simulation.</p>
著者
桐山 裕二 金沢 健雅 濱島 吉男 阿部 篤朗 橋本 かおり 藤原 寛樹 秋山 篤子 山井 庸介 清水 豊 本村 一郎 一和多 俊男 平岡 仁志 長尾 光修
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.338-343, 1999

症例は21歳, 男性。20歳時よりうつ病, 心身症で某医にて加療歴あり。深夜に泥酔状態で帰宅し, 酸素スプレーと誤って家庭用殺虫剤を吸入した。翌朝になって発熱, 咳嗽, 血痰, 呼吸困難が出現し近医で胸部異常影を指摘され, 当科紹介入院。入院時の胸部X線では両側S^6主体の肺胞性浸潤影が認められ, 発症経過からリポイド肺炎が考えられたため, パルス療法と抗生剤による治療を施行した。全経過中に胸水貯留像や結節状陰影など多彩なX線像を呈したが, ステロイド療法継続により線維化像をみることなく改善した。本症例では組織診断は得られなかったが, 気管支洗浄液のガスクロマトグラフ質量分析の結果において, 誤って吸入したとされる殺虫剤成分に含まれるケロシンと同一成分が気管支洗浄液中に検出されたことより外因性リポイド肺炎が強く疑われた。
著者
和気 典二 清水 豊
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.910-918, 1975-12-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
20
被引用文献数
8
著者
佐川 賢 清水 豊
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-28, 1995-02-01
被引用文献数
13

CRT画面上に呈示したパターンを用いて色彩パターンに対する人間の心理評価を(1)色彩領域の占有面積, (2)配色数, (3)色彩領域の分布, の点から検討した。全体で7つの色(赤, 緑, 青, 黄, シアン, マジェンタ, 白)が16×16のマトリクスパターン上に種々の面積, 配色数, 色彩領域の分布の規則度を変えながら配分され, 観測者はこれらのパターンについての心理評価をパターンの物理的な特性に関する評価として規則性(色彩配置の周期性), まとまり(色彩配置のかたまり具合)の2評価, さらに視覚心理の高次な判定に関する評価として, 調和, 好み, 快適性, の3評価の合計5つの項目について10点尺度で答える。実験は実験1〜4に分かれ, それぞれ(1)単一色の面積率の効果, (2)配色数の効果, (3)分布の規則度の効果, (4)これら3つの複合効果, の4つ効果を検討した。結果を総合すると, 快適性の評価値は占有面積が増えるとともに, また配色数が多くなるとともに低下するが, 分布の規則度が増すととも上昇することを示した。分布の規則度と快適性評価値との高い相関は, パターンの自己相関係数と観測者の評価値との比較においても確認された。また, 本研究で採用した5つの評価項目は, 主成分分析の結果いずれも快適性と相関が高いことが判明し, 色彩パターンの心理的な快適性の評価に有効であることが判明した。