- 著者
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関沢 純
大竹 千代子
- 出版者
- 日本農薬学会
- 雑誌
- 日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.4, pp.295-300, 1992-11-20
農薬による人の健康と環境へのリスクを正しく評価することは重要である.問題の所在を知る上で, 農薬の永年にわたる使用量の変化, 現行の規制内容, 国際機関によるリスク評価の現況を知ることは大きな参考となる.著者の開発したデータベースを用いて国内で1975年から1990年(農薬年)において使用量の多かった41農薬について, 使用量の推移, 国際機関によるリスク評価の結果(FAO/WHO合同残留農薬委員会による一日許容摂取量の評価の概要など)と国内の規制状況(残留基準の有無など)を検討し, 今後必要と思われるリスク評価のニーズを指摘した.一例としてはDichloropropene, Chloropicrin, Methyl bromideなどくん蒸剤の使用量が増加しつつあり, 使用者への健康影響および生態系への影響の評価と管理が課題と考えられた.