著者
高橋 義行 和田 豊 小田中 芳次 古野 秀和
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.140-143, 2000-05-20
参考文献数
6
被引用文献数
2

さきに報告した1995年の人工降雨によるランオフ試験を実施した同じ傾斜圃場(6∿6.5°)において, 1996年7月の梅雨の合間に栽培キャベツ(7a)にTPN, ダイアジノン, ジメトエートの3剤混用1000倍液を167l/10a散布して, 翌日の降雨で0.6lの表流水を採取した.また, 9月には栽培ダイコン(8.4a)に同じ3剤混用液を101l/10a散布して, 2日後の台風通過よる降雨で290l (10 : 00∿12 : 30), 530l (12 : 30∿13 : 00)及び600l (13 : 00∿15 : 00)の計1420lの表流水を採取した.表流水の平均流出水量/m^2/hrは, 0.01l/m^2/hr(7月)及び0.12l/m^2/hr(9月)と少なかったが, 台風通過時の最大値(1.26l/m^2/hr)は既報の人工降雨試験による表流水量/m^2/hrに匹敵した.一方, 表流水中の薬剤濃度は0.001ppmから最大でも0.018ppmであり, 前年の人工降雨での場合の1/30から1/300の値であった.7月及び9月の薬剤散布後の表層土壌中(深さ5cm)の各薬剤はランオフの後では, TPNでは17%と84%が, ダイアジノンでは19%と78%が, ジメトエートでは90%と92%が, それぞれ表層より消失したと推定された.これらの結果は土壌の種類や状態, 天候及び地理的な相違によって異なると考えられるが, 少なくとも本圃場では自然降雨によるランオフは台風通過時などの強い降雨でないと発生が困難であり, また発生した表流水中の薬剤濃度は人工降雨試験の結果と比べて極めて低濃度であった.

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