- 著者
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稲田 勝美
薮本 陽一
- 出版者
- 日本作物学会
- 雑誌
- 日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.4, pp.689-694, 1989-12-05
- 被引用文献数
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制御環境下での植物生産に好適な環境条件を明らかにするため, 連続照明下での光質, 恒温下での日長, および連続照明下での変温の影響を調べた。光質については, 赤色光/遠赤色光 (R/F) 比が著しく高い場合を除けば, 赤色光の光量子量が多いほど, また赤色光/青色光 (R/B) 比が大きいほど生長は促進された。日長は長いほど生長は旺盛となり24 h日長 (連続照明) で最大となったが, 乾物生産に対する照明効率は20 h日長で最も高かった。連続照明下で, 日平均20℃, 高低差5℃とした変温を与えると, 恒温下に比べて生長は促進され, レタスでは21.7℃, 16 hと16.7℃, 8 h (16 H/8 L), ハツカダイコンでは20.8℃, 20 hと15.8℃, 4 h (20 H/4 L) または16 H/8 Lの変温下で最も効率が高かった。ハツカダイコンでは, 変温によって増大した乾物はもっばら貯蔵根に分配された。本研究から, R/B比10またはそれ以上, R/F比1〜2の光質をもつランプで日長を20 h前後とし, これに変温を組合せた条件が植物の栄養生長の促進に有効であろうと結論した。