著者
前田 英三 三宅 博
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.340-351, 1996-06-05
被引用文献数
1

イネの反足細胞は, 卵細胞から離れ珠心側壁に接して存在する. 多くの裂片をもつ巨大な異常核, 粗面小胞体, 細胞壁内向突起などが, 開花直後のイネ反足細胞内に観察された. 細胞核の裂片は核質の小さな架橋により連結しており, プラスチドやミトコンドリアや粗面小胞体を含む細胞質の一部を取り囲んでいる. 珠心細胞と接する反足細胞の細胞壁には, よく発達した内向突起が見られる. 粗面小胞体の先端が細胞壁内向突起と融合している場合も観察される. 反足細胞付近の珠心細胞は, すでに退化しはじめている. これらの細胞構造及びリボゾームを表面に伴った小胞の行動などから, 珠心細胞から胚嚢内中心細胞へのアポプラスチックな物質輸送に関する反足細胞の役割につき考察した. また, 胚嚢内の物質の移動経路についても, 簡単に述べた.

言及状況

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反足細胞は、イネなどでは物質輸送に関わることもあるようです(参考サイト1)。 ただ、反足細胞が受精までには退化してしまうものもあり(参考サイト2)、そうでない場合でも反足細胞は植物種によってかなり変異があることから(参考サイト3の「反足細胞」と「胚嚢のタイプ」を参照)、すべての植物種の反足細胞に共通した機能というものは無いのかもしれません。重複受精のためにできた核のうちで使われない余った核をもと ...
反足細胞は、イネなどでは物質輸送に関わることもあるようです(参考サイト1つめ)。 ただ、反足細胞が受精までには退化してしまうものもあり(参考サイト2つめ)、そうでない場合でも反足細胞は植物種によってかなり変異があることから(参考サイト3つめの「反足細胞」と「胚嚢のタイプ」を参照)、すべての植物種の反足細胞に共通した機能というものは無いのかもしれないです。重複受精のためにできた核のうちで使われない ...

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