著者
玉置 雅彦 山本 由徳
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.29-34, 1997-03-05
被引用文献数
5

遮光および施用窒素量が, 水稲の出葉転換点とその前後の出葉速度ならびに分げつ発生数に及ぼす影響について検討した. 1/5000a ワグネルポットを用いて, 3レベルの遮光処理(0, 50, 95%)と3レベルの施用窒素量処理(移植時から10日毎に25, 100, 200 mgN/ポット施用)を組み合わせた計9区の処理区を設定し, 移植時から収穫時まで処理を行った. 主茎の葉齢の増加は, 95%遮光区を除き, 出葉転換点を境にして2本の直線で近似することができた. 95%遮光区は, 出葉転換点が存在せず1本の直線で近似された. 出葉転換点までの出葉速度は, 施用窒素量よりも光条件によって強く左右され, 強光下ほど出葉速度は早かった. しかし出葉転換点後は, 出葉速度に及ぼす光条件の影響は小さくなった. 無遮光区では, 出葉転換点前後とも施用窒素量が多くなるにつれて出葉速度は早くなったが, 遮光区では施用窒素量が出葉速度に及ぼす影響はほとんど無かった. 分げつ発生には, 出葉転換点前後とも光条件が影響し, 無遮光区で分げつ発生数は最も多かった. 無遮光区では, 施用窒素量が多くなるにつれて分げつ発生数は増加したが, 50%遮光区では窒素量の影響が小さくなり, 95%遮光区では影響は認められなかった. 出葉転換点がみられた無遮光区と50%遮光区について出葉速度と分げつ発生数との関係をみると, 出葉転換点前では有意な正の相関が認められたが, 出葉転換点後では有意な相関は認められなかった.

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こんな論文どうですか? 遮光および施用窒素量が水稲の出葉速度と分げつ発生に及ぼす影響 : とくに出葉転換点に着目して(玉置 雅彦ほか),1997 http://t.co/kxHe7qm7n9

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