著者
浅野 紘臣 磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.174-177, 1998 (Released:2011-03-05)
著者
高橋 清 大竹 博行 星川 清親
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.p623-628, 1992-12
被引用文献数
3

イネの一生を通じて, 茎の起き上がり能力の変動を明らかにするために, 水稲品種ササニシキを用いて以下の実験を行った. 第1実験Aでは1ポットあたり20粒播種し, 出現した分げつを切除し, 主茎のみを残した. 葉齢7から出穂後3週目までの期間を, 11の段階に分けて, 各生育時期にポットごと横転する処理を行った. その結果, 葉齢7から出穂後1週目までの処理では, 植物体は完全に鉛直方向へ起きあがった. しかし, 出穂後2週間目以降は, 起き上がり能力が著しく減退した. また, 生育の推移と共に, 反応葉枕は上位節へと移動すると共に, 反応葉枕数は次第に減少した. なお, 1個の葉枕の反応能力の持続期間は, 伸長茎部の葉枕で長いことが示された. 第1実験Bでは, 葉齢11.1から12.1の期間を6段階に分けて, 起き上がり能力を調査した. その結果, 前半は第10節の葉枕が最大反応を示した. しかし, 後半は第10節の反応が衰え, その低下を補うように, 第11節の葉枕が最大反応を示した. 第2実験では, 登熟期の起き上がり能力の減退要因を探った. その結果, 横転と穂切除の同時処理によって, 起き上がりが促進されることが認められた. これは, 力学的に穂による荷重が減少したためと考えられる. 一方, 横転処理開始1〜2週間前に穂を切除した場合は, むしろ起き上がりは抑制された. この場合, 葉枕部の珪酸蓄積が穂切除によって顕著に増大する事が認められた. 従って, 葉枕部への珪酸蓄積が起き上がり能力の減退に関わっていることが示唆された. その他の要因についても考察を行った.
著者
中道 浩司 足利 奈奈 来嶋 正朋 佐藤 三佳子 吉村 康弘
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.49-55, 2013

本研究は,北海道の春まきコムギ優良新品種「はるきらり」を上川農業試験場 (北海道上川郡比布町) にて3年間栽培・試験し,収穫物である子実の製粉特性ならびに小麦粉の製パン性といった品質特性について,基幹品種「春よ恋」と比較することで評価したものである.品質特性は,子実については子実タンパク質含有率,子実灰分含有率,製粉工程でのミドリング粉量に対するブレーキ粉量 (BM率) で,小麦粉については小麦粉タンパク質含有率,小麦粉灰分含有率,生地吸水率,グルテンインデックス,パン体積で評価した.小麦粉タンパク質含有率ならびに小麦粉灰分含有率は,それぞれ同じ子実タンパク質含有率,同じ子実灰分含有率であれば,「春よ恋」が「はるきらり」よりも高かった.BM率は,両品種とも子実タンパク質含有率と正の相関を示し,同じ子実タンパク質含有率であれば,「はるきらり」が「春よ恋」よりも高かった.さらに,小麦粉タンパク質含有率は,吸水率,パン体積,可溶性ポリマー含有率 (EPP),可溶性モノマー含有率 (EMP) および不溶性モノマー含有率 (UMP) と正の相関を示し,グルテンインデックスと負の相関を示した.一方で,「はるきらり」は,「春よ恋」よりも吸水率が低く,グルテンインデックスが低く,パン体積が大きく,EPP と EMP が高く,不溶性ポリマー含有率 (UPP) が低かった.
著者
千葉 雄大 松村 修 寺尾 富夫 高橋 能彦 渡邊 肇
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.455-464, 2009-10
被引用文献数
1

深水栽培による籾数制御と草姿の改善により、水稲の登熟期における高温による白未熟粒の発生抑制を試みた。2004年から2007年に、水稲3品種(初星、ササニシキ、コシヒカリ)を分げつ盛期から最高分げつ期にかけて水深18cmで深水処理し、生育、収量と白未熟粒割合を調査した。深水処理により、2次分げつおよび上位1次分げつといった弱小分げつが減少して、強勢な下位の1次分げつの穂を中心とした分げつ構成となり、有効茎歩合が高まった。その結果、深水処理により穂数は減少したが、一穂籾数と玄米千粒重が増加し、年次変動はみられたが、慣行栽培と同程度の収量が得られた。深水処理により白未熟粒発生が抑制され、特に、乳白粒の発生を顕著に抑制した。また、深水栽培は、オープントップチャンバーによる高温処理においても白未熟粒発生を抑制し、高温による品質低下防止に効果があった。この効果は、高温登熟耐性の弱い品種ほど顕著であった。しかし、深水処理は茎数を減少させるため、十分な茎数が確保できない場合には減収した。このため、高品質米の収量確保には、有効茎数を確保してから深水処理を開始することが必要であり、深水処理開始時の茎数が330本/m2程度確保できれば、慣行栽培と同程度の収量と、白未熟粒発生抑制の両立が期待できる。
著者
ウデイン S. M. モスレム 村山 盛一 石嶺 行男 続 栄治 原田 二郎
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.747-753, 1995-12-01
参考文献数
19
被引用文献数
2

木酢液・木炭混合物(サンネカE)が夏植サトウキビの乾物生産および根の生育に及ぼす影響を明らかにするために, サトウキビ品種NCo310を供試し, サンネッカE施用量を0(対照区), 200, 400および800kg/10aの4水準設定して5反復で実験を実施した. その結果, サンネッカE施肥により茎重, 茎長, 茎径, 糖含量等のサトウキビの収量構成要素が増大した. サンネッカE施用区におけるCGR, NARおよびLAIは対照区より高い値を示し, CGRとNARおよびLAIの相関は有意であった. 原料茎収量, 葉糖収量および全乾物重もサンネッカE区が対照区よりそれぞれ13-24%, 19-31%および14-20%増加した. また, 原料茎収量, 蔗糖収量および全乾物重の最高値は400kg/10aサンネッカE区で得られた. サンネッカE区の根系の分布は水平方向, 垂直方向とも各分布域における根重密度はサンネッカE区が高かった.
著者
露崎 浩 武田 和義 駒崎 智亮
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.345-350, 2000-09-05
参考文献数
9
被引用文献数
1

オオムギが主食として栽培されているチベット高原の東部地域(標高2670m~3550m)において, オオムギの栽培, 生育状況を収穫期に調査した.さらに, その場で収集したオオムギ在来品種333系統を日本で栽培し, 出穂期や収量関連形質などを調べた.栽培されていたオオムギのほとんど(収集系統の99%)が六条・裸性であった.粉食をするチベット民族が製粉の容易なハダカムギを好んで栽培していると推察される.穎や穎果が紫や青色を呈する系統が多数認められた.オオムギ栽培は, 河岸段丘や山腹の小規模な畑で行われていた.ヤク(牛の一種)を使う耕起の他は, 全て手作業で栽培が行われていた.元肥として, 主に有機質肥料が使われていた.播種様式は散播が最も多かった.春播き栽培されており, 播種期(3月中旬~4月上旬)と収穫期(8月上旬~下旬)が標高により異なった.収穫物は架掛けや屋根の上で乾燥された後, 踏みつぶしや唐竿により脱穀されていた.収穫時の生育状況(草高および被度)に, 大きな圃場間差が存在した.日本での出穂期に1ケ月近くの系統間変異が認められ, 標高2900~3100mから収集した系統に出穂の遅いものが多かった.このような出穂期の遺伝的分化には, 栽培標高帯の気象条件や播種, 収穫期の早晩が関わっていると思われた.収集系統の千粒重は, 世界各地の六条・裸性品種と比べ明らかに大きかった.最後に, 現地での多収化を計る上での栽培上の視点を提示した.
著者
吉田 智彦
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.698-702, 1995-12-01
被引用文献数
4

北部九州での水稲早期栽培の後作を想定し, 6種類の穀類を8月10日〜30日に播種して子実収量をみた. 比較として5月播種も行った. 子実として固定された太陽エネルギーの割合は最大0.2%前後で, キビ, アワ, ソバは5月播種より高かった. 最大葉面積指数は5月播種より小さかった. CGRや乾物生産における太陽エネルギー利用効率は生育前半で5月播種より大きく, 後半で小さくなった. 収量はソルガム, キビ, アワは8月10日播種で151〜131 gm^<-2>であり, 20日播種は低下した. 一方ソバ, オオムギは30日播種でも130, 119gm^<-2>の収量が得られた. ヒエは低収であった. アワは登熟期間の有効積算気温の減少による収量低下程度がソルガム, ヒエに比べて著しく, 一方ソバは収量の変動が少なかった. 8月播種に向く品種改良の可能性は大きいと思われる.
著者
磯部 勝 杉山 剛 片桐 基 石塚 千紘 田村 優実 肥後 昌男 藤田 佳克
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.117-124, 2019
被引用文献数
4

<p>立枯れはキノアの生育や収量に最も影響を与える障害のひとつである.キノアの立枯れに関する研究はキノア栽培が盛んな南米のアンデス地域では行われているが,環境の大きく異なる我が国においては過去に研究事例はない.そこで本研究では生育初期におけるキノアの立枯れの発生原因とその抑制法について検討した.立枯れ率は播種時期によって大きく異なったが,いずれの播種時期でも出芽直後から第4葉期まで立枯れが発生し,その後はほとんど発生しなかった.播種時期の違いによって立枯れ率に違いが生じた原因は気温や日照時間より降水量の違いによる影響が大きいことが明らかにされた.そして,立枯れ率は土壌水分が低いと低下することが明らかになった.このことから,キノアの立枯れを抑制させるには生育初期において土壌水分が過剰にならないようにすることが重要と考えられた.さらに,供試したキノア12品種の間には立枯れ率に明確な違いはなかった.立枯れた個体からはRhizocotnia属菌やFusarium属菌が見出され,立枯れの発生にはこれらの菌が関与している可能性が示唆された.薬剤散布で立枯れの発生が抑制できるか検討した結果,播種時にダコレート水和剤を1m2当たり2 g以上を土壌の表面に散布すれば立枯れ率を抑制することができることが明らかになった.</p>
著者
大井 崇生 笹川 正樹 谷口 光隆 三宅 博
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.378-385, 2013
被引用文献数
3

ローズグラスは体内に取り込んだ塩類を排出する塩腺を有し,耐塩性が高いことが知られるイネ科牧草である.本研究では,津波被災農地の土壌を用いてローズグラスの耐塩性および塩排出能力を検討した.福島県いわき市において,2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う津波被災のなかった地点,あった地点の農地より土壌を採取して実験に用いた.採取地のうち四倉町の津波あり地点では,土壌EC値および土壌中交換性Na<sup>+</sup>量がともに高い値を示した.この土壌を用いてローズグラスおよびイネを人工気象室内で21日間生育させた.両作物ともに津波あり地点の土壌において生育阻害が現れたが,ローズグラスでは地上部乾物重の減少率はイネよりも小さく,また可視障害も少なく,さらに長期間の生育が可能と考えられた.葉身内のイオン含有量を測定すると,ローズグラスでは津波の有無に関わらず高いNa<sup>+</sup>含有量を示した.加えて津波あり地点の土壌において,ローズグラスでは葉身や葉鞘の表面に水滴または結晶状の排出物が観察された.1週間あたりの葉身からのイオン排出量を測定すると,葉身の含有量の4倍のNa<sup>+</sup>が排出されることが確認された.また,生育後の土壌中交換性Na<sup>+</sup>の減少量はイネよりもローズグラスの方が大きい傾向があった.以上より,ローズグラスは津波被災農地における転作利用や除塩に役立つ可能性が示唆された.
著者
原 貴洋 松井 勝弘 生駒 泰基 手塚 隆久
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.189-195, 2009-04-05
参考文献数
19
被引用文献数
1 6

西南暖地の春まき栽培向けに育成された「春のいぶき」と国内品種の収量関連形質と穂発芽の品種間差異を明らかにするために,4ヵ年にわたって熊本県合志市において4月中旬播種の作期で栽培試験を実施した.中間夏型品種の子実重は,他の生態型の品種より高かった.春のいぶきの子実重は,夏型品種や秋型品種より有意に高く,中間夏型品種と同等であった.中間夏型品種と春のいぶきは夏型品種と比べて,花房数が多く,花房当たり子実数と千粒重は同程度であった.鹿屋在来と中間秋型品種の常陸秋そばは,調査を行った7月上旬までに成熟に至らず,子実重は他の生態型の品種より低かった.鹿屋在来と常陸秋そばは他の生態型の品種と比べて,花房数は多かったが,結実率が低く花房当たり子実数が少なかった.春のいぶきの穂発芽は,全ての試験年次で,夏型品種および中間夏型品種より有意に少なかった.穂発芽と子実重の年次間相関は,千粒重や草丈の年次間相関と同程度であったため,穂発芽と子実重の品種間差異は年次の影響を受けにくいと考えられた.春のいぶきは既存品種に比べて,春まき栽培における難穂発芽性と多収性をバランスよく兼備する品種であり,実用性が高いと判断された.
著者
福島 裕助 中村 晋一郎 藤吉 臨
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.432-436, 2001 (Released:2011-03-05)

スクミリンゴガイ生息田への野菜投入によるイネ苗の被害回避の可能性を探ることを目的として、水槽内で野菜に対するスクミリンゴガイの選好性と摂餌行動を明らかにした。水槽内で、イネ苗と数種の野菜を同時に与えると、イネ苗よりもメロン、スイカ、レタス、ナスおよびトマトに対する貝の付着頭数または被摂食量が多かった。また、付着頭数と野菜の被摂食量との間には正の相関関係が認められた。このことから、スクミリンゴガイは、これらの野菜に対する選好性が高いと判断された。選好性の高かったメロンとナス、選好性の低かったイネ苗とタマネギを同時に与えて、スクミリンゴガイの摂餌行動を観察すると、本貝は6時間以内に選好性の高い食餌を認識した。また、選好性の低い食餌に一次付着した貝は、その後、選好性の高い食餌へ移動した。さらに、選好性の高かったメロンやナスへの付着時間はイネ苗よりも明らかに長かった。これらの結果から水田へ選好性の高いメロン、スイカ、レタスやナスを投入することによって、スクミリンゴガイによるイネの被害を回避できる可能性のあることが示唆された。
著者
松波 寿典 児玉 徹 佐野 広伸 金 和裕
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.231-240, 2016
被引用文献数
2

米の食味は,品種,環境,栽培技術が相互に作用しながら,水稲の生育および収量形成過程に影響した後,適正な収穫および乾燥・調製が行われ,決定される.そのなかでも,極良食味米は,品種が遺伝的に備えている米の食味官能特性や理化学的特性などの食味ポテンシャルが生産者の栽培管理技術により最大限発揮された生産物であると考えられる.本総説では,美味しい米を作るための栽培技術要素に関するこれまでの知見を整理するとともに,さらなる美味しい米作りに向けた栽培学的アプローチの方向性について検討した.美味しい米を作るためには,健全な根を発達させるための土をつくり,活着が良好となる健苗の育成や高温登熟を緩和できる適期に適切な栽植密度で移植を行い,低タンパクな玄米を生産する低次位・低節位分げつを確保した後,深水管理や中干しにより速やかに過剰な分げつを抑制する.また,幼穂形成期の栄養診断に基づく穂肥施用で籾数を適正に制御し,出穂期以降は良好な登熟に向けて高温対策と根の機能維持のための水管理(掛け流し,間断灌漑)を行い,適期収穫した後は,低めの温度設定で素早く乾燥調製することが重要であるとまとめられた.そして,さらなる美味しい米作りに向けた今後の栽培学的アプローチとしては,良食味米産地の中でも極上の米を生産する地域や篤農家圃場の地理的,気候風土的な条件と食味ポテンシャルを発揮させる個々の技術要素が水稲の生育や収量形成過程,食味関連特性に及ぼす影響を解析することが重要である.
著者
Rabie Raafat K. MATTER Mohamed K. KHAMIS Abd-El-Maksoud MASTAFA Mostafa M.
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.p155-161, 1986-06

食用ソラマメの生育と窒素含有量および収量に対する土壌塩類, 窒素施肥の影響をポット条件下で調査した. 塩類濃度は, 乾土当り 0.18, 0.30, 0.45, 0.60%の4水準を設け, 0.18%のものを対照区とした. 窒素施肥については, 1ポット4 kgの土壌に対して窒素成分として 0, 25, 50, 75 mg添加の4水準を設けた. 得られた結果は次の通りである. 1. 乾物重, 窒素含有量, 子実収量, 茎重, 個体当り莢数, 個体当り子実蛋白量は, 塩類濃度0.30%は促進的であったが, その他の塩類濃度では, 濃度が高まるにつれて抑制的であった. 百粒重, 子実蛋白含有率に対しては, 対照区に比べて全ての塩類濃度が抑制的に作用した. 2. 個体当り子実収量, 百粒重並びに開花前期と英形成期における乾物重については, それぞれの平均値が窒素施肥によって増加した. 3. 植物体窒素含有量, 個体当り莢数並びに子実蛋白含有量は, 窒素施肥によって増加し, 莢充実期と成熟期では 50mgの窒素施用が最も促進的であった. 4. 開花前期と莢充実期の植物体乾物重は, 最終子実収量と有意の高い正の相関が認められた. 5. 子実生産の効率は, 窒素施用量の増加にともなって高まった. これらの結果から, a) 塩類濃度 0.45%は, ソラマメの生育にとって限界濃度であり, b) 根粒菌種子接種に併用する窒素施肥は, 可給態窒素含量の低い土壌で最大収量を得るために有効であると結論された.
著者
吉田 智彦 Anas 小林 俊一
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.395-398, 2009-07-05
参考文献数
5
被引用文献数
1

生物種あるいは品種間の相互関係を表示するために,通常はコンピュータソフトを利用したクラスター分析により樹状図を作成しているが,教育的効果を目的としてコンピュータを用いず手動でクラスター分析をすることを試みた.オオムギ品種間のRAPD分析によるDNA多型データを用いて,品種間で異なるバンドを示したDNAマーカー数(異なるマーカー数)をその品種間での距離とした.まず,異なるマーカー数の最も少ない組合せを選び,それを最初のクラスターとした.次にそのクラスターの平均値からの距離と残りの品種との間の値を計算し直して,第2のクラスターを決定し,順次同様に行っていった.育成地の異なるオオムギの二条,六条種を含む品種間で試みたところ,ほぼ満足すべき結果が得られた.コンピュータソフトを利用した結果とも一致した.本方法では,クラスター分析を手計算で行うことにより,理解が容易であり,教育的効果が大きい.
著者
前田 英三 萩原 俊昭
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.68-76, 1974 (Released:2011-03-05)
著者
沢口 敦史 佐藤 導謙
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.505-509, 2001 (Released:2011-03-05)

春播コムギの初冬播において、根雪前20-25日に播種すれば越冬が良好であることを既報で示した。本報では初冬播栽培において春播栽培よりも安定的に多収を確保する技術として、発芽抑制剤と播種量について検討した。発芽抑制剤試験では、薬剤により越冬後の出芽個体数を増加させ、早期播種においても多収のコムギを生産することが可能な剤が認められた。また試験結果から、最大収量の95%以上を得るためには、178個体m-2以上の生存個体が必要であると判断された。播種量試験では、播種量を春播栽培の標準量(340粒m-2)、1.5倍あるいは2倍量を検討した。播種量を増やしても穂数は増えるが穂長と千粒重がやや低下し、収量は標準量播種量とほぼ同じであった。越冬率は越冬可能な播種時期においても40%~89%であった。これらより、最大収量の95%を得るためには、必要生存個体数178粒を最低の越冬率である40%で除して得られたm2当たり445粒が播種量として適正であり、これ以上は収量増加に効果的でないと判断された。
著者
コリイ A.
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.428-431, 1980

供試した10品種の中で6品種は光周期に不感応で,2品種は弱い感光性があり,2品種は強く反応した. これらの10品種はすべて西アフリカの主要な作期および二期作において使用されている. 強感光性品種を二期作において早く植えると,日長が長くなることによる過剰生長から回避できる. 西アフリカにおいては,感光性品種も非感光性品種も両作期において長日による遅延なしに作付可能である. 二期作における一般的な開花遅延はむしろ低温に起因するようにみえる.
著者
黒田 栄喜 玖村 敦彦
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.623-627, 1989
被引用文献数
2 1

近接した日の間にみられる水稲個葉の光合成速度 (CER) の変動とその生理的基礎, 並びに, 葉面光強度および気孔伝導度 (g<SUB>s</SUB>) の2要因がCERに及ぼす効果の相互関係について検討した。(1) CERの日による変動; (i) 圃場条件下で, 数日間連続して, 午前のほぼ同じ時刻に, 飽和光下で同一葉のCERを測定したところ, その値は日によって異なり, この期間の最大値と最小値の開きは5~10 mg CO<SUB>2</SUB> dm<SUP>-2</SUP>h<SUP>-1</SUP>に達することが認められた。(ii) CERの日による変動はg<SUB>s</SUB>のそれと並行的であった。(iii) g<SUB>s</SUB>の日による変動は蒸発計蒸発速度と密接な関連を示し, この値が大きい日にはg<SUB>s</SUB>が小さいという傾向がみられた。(2) 葉面光強度とg<SUB>s</SUB>のCERに及ぼす効果の相互関係; (i) 連続した数日間においていろいろな時刻に測定した同一葉位の葉のCERと葉面光強度およびg<SUB>s</SUB>との関係を検討したところ, 両要因の効果には相互作用が存在することがわかった。すなわち, (ii) 弱光下ではCERはg<SUB>s</SUB>に無関係に, ひとつの光-光合成曲線であらわされた。(iii) 光飽和点はg<SUB>s</SUB>が大きいほど高かった。(iv) 強光下ではCERは光強度に影響されずg<SUB>s</SUB>の増大に伴い増加した。
著者
福山 正隆 武田 友四郎 谷山 鉄郎
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.267-277, 1974 (Released:2011-03-04)