- 著者
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浦嶋 泰文
堀 兼明
- 出版者
- 一般社団法人日本土壌肥料学会
- 雑誌
- 日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.2, pp.157-162, 2003-04-05
- 被引用文献数
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1
連作障害軽減を最終的な目標としつつ,有用微生物の農業利用をめざして研究を進めている。そこで,対象として軟弱野菜であるホウレンソウを用い,蛍光性シュードモナス属細菌のなかからホウレンソウの生育を促進する菌株の検索を試みた。1)プレパラート用染色バットを用いた幼植物段階の生物検定法を用いることでホウレンソウ根の生育に影響を与える蛍光性シュードモナスの選抜が可能であり,幼植物段階の生物検定法として適当であった。2)収穫期までホウレンソウを栽培した生物検定法で,ホウレンソウの生育(地上部および根部)を約50%以上促進する蛍光性シュードモナス菌株が数菌株得られた。3)分離したPGPRのなかには2種のタイプが存在し,Aタイプ(生育初期より根の生育を促進)とBタイプ(生育の初期は根の生育を抑制)に分けることができた。4)水耕栽培条件においては接種した蛍光性シュードモナス属細菌はホウレンソウ根に十分定着しており,根に十分に定着しているためにホウレンソウに対する生育促進機能を発揮しうると推察された。5)BタイプであるD23株に関しては,培養した培地中に,多量でホウレンソウ根の生育を抑制し,少量で根の生育を促進する物質の存在が示唆された。