- 著者
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大橋 恭一
岡本 将宏
- 出版者
- 一般社団法人日本土壌肥料学会
- 雑誌
- 日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.5, pp.373-377, 1985-10-05
琵琶湖内湖の干拓地である細粒グライ土を畑転換し,1976年からおがくず入り牛ふん厩肥を10a当たり0〜8t毎作施用し,春作は美濃早世ダイコン,秋作はハクサイを栽培した.厩肥使用量と収量,土壌水分の関係について得られた結果は次のようであった.1.収量に対しては1t施用ではほとんど効果は認められず,2〜4t施用によって効果が高く,8t施用では逆に不安定となった.2.土壌pF値が低く経過している8t施用区の収量が低下する原因は以下のように考えられた.すなわち,ダイコン栽培時に深耕した際に心土が破壊され,大雨で冠水した際,下層土の構造・亀裂に土壌粒子などが詰まり,地下水と毛管連絡し過湿になった.3.厩肥を使用することにより土壌の易効性有効水分(pF1.8〜3.8)は増加し,pH1.8の個相率の低下と気相率の増加が認められるが,8t施用区では気相率が46.9%と高く,干害のおそれも考えられた.