著者
齋藤 實男
出版者
九州産業大学
雑誌
九州産業大学商經論叢 (ISSN:02867842)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.1-28, 2002-03-29

本稿のテーマは、情報の受発信・コミュニケーション,とりわけグリーンマーケティング論者O(Observer)の情報発信を意識しながら,ライフサエコロジー(Lifecyecology)型のグリーン社会を目指すA⇔B⇔C(国家⇔企業⇔消費者:Administration⇔Business⇔Consumer)各主体の間やA⇔A', B⇔B', C⇔C'の間を,環境・自然N(Nature)保全のために,IT・情報媒体M (Media)を媒介して行き交うグリーン情報・グリーンコミュニケーションが,いかにBのグリーンマーケティングを進化させてゆくのか,を考察することにある。つまり,A⇔B⇔C各々の情報の受発信主体の間をITを媒介して行き交う情報に注目し,B⇔C間のグリーンマーケティングコミュニケーション・グリーンブランド共創やグリーンコンシューマリズム→グリーンプロシューマリズム(C側の脱環境ホルモン[EDC: Endocrine Disrupting Chemicals]のための生産参画運動)について考察することにある。特に企業(B)からのIT活用の情報受発信に着目し,Bが国家・自治体(A)側にどのように発信する情報が,一方の局のグリーンプロシューマリスト(C)にどのように共有・記憶され,グリーンプロダクト購入・共創,ブランド共創などに繋がらせるのか,を考察する。また,グリーン情報のネゲントロピー効果にも着目し,まず情報をIT関連メディア・3S (Span-Space-Species)軸・リアル(ライブ)/ヴァーチャルなどの面から分類し,効果的なグリーン共創マーケティング・プロシューマーサポート(黒岩哲彦)・プロシューマリズムサポートに,グリーン情報がどう活かされるか,を考察する。力説したいのは,「消費」者C側の生産参画運動の重要性,その運動に果たすITの遠隔地操作等による超時空間的役割,超社会内分業的役割である。生産と「消費」の輻輳する生態系・食物連鎖準拠のグリーンA⇔B⇔C循環型経済社会を形成するためには,C側が,生産をヒト任せにせず,プロシューマリストたらねばならない,そのために,対Aプロシューマリズム(政策立案への直接参加[直接民主制])を前提に,対Bプロシューマリズム・NPO内プロシューマリズムを巻き起こさなければならない,という点である。

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