著者
佐藤 正樹
出版者
日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.1059-1078, 1995-12-01
参考文献数
23
被引用文献数
1

大気の子午面循環を理解するひとつのツールとしての南北-鉛直2次元数値モデルを用いて、ハドレー循環と湿潤対流に伴う大規模運動との関係を調べた。モデルは、湿潤過程を含むプリミティプ方程式系に従い、球面座標系と、一様な回転速度をもつ直角座標系の2種類の座標系を用いる。地表面温度を固定し、大気中を冷却することによって、分解能の範囲内で対流運動が生じる。南北の温度差ΔT_sに対する依存性を調べた。全ての実験で、秩序だったセル状構造を形成することがわかった。ΔT_s=0のときには、対流運動はロスビーの変形半径程度のスケールで組織化し、振動的となる。ΔT_sが大きくなるにつれて、組織化した対流運動は、高温側に進行するようになる。直角座標モデルの実験結果は、球座標モデルの実験で中緯度にあらわれた対称セルのパターンとよく似ている。このような対流セルは赤道に近づくにつれてセル間隔が広くなる。特に赤道における対流セルは、南北対称な場合のハドレーセルに対応すると考えることができる。

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