著者
三隅 良平
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.107-121, 1994-02-25
被引用文献数
1

降水量、地上気温、海面気圧のデータを用いて、1990年以降の梅雨期の降水量の数十年スケールの変動の特徴を記述し、大規模場の変動との関係を調べた。日本全国を平均した梅雨期の降水量は、1924年から1944年(期間I)には少雨傾向を示していたが、1950年頃に増加し、1952年から1972年まで(期間II)多雨傾向を示した。この数十年スケールの変動は、日本の南西部で大きな振幅を持っていた。期間Iと期間IIの間で、つぎの気象要素に有意な変動が見られた;1)日本の西部での南北温度傾度(増加)、2)日本の、30゜Nと40゜Nの間の緯度帯での海面気圧(減少)、3)マニラの降水量(減少)。東日本の南北気圧傾度、及び日本の地上気温のEOF第1主成分は、梅雨降水の年々変動と相関するにもかかわらず、期間Iと期間IIの間で有意な変動は見られなかった。解析結果は、期間Iから期間IIにかけての梅雨降水の増加が、亜熱帯の循環の長期変動と関係していた可能性を示唆する。1950年頃の梅雨降水の増加に関して、仮説的なプロセスを提案する。

言及状況

Twitter (1 users, 2 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 1950年頃の梅雨降水の増加に関係する、大規模場の特徴の変化(三隅 良平),1994 http://id.CiNii.jp/HkKcL
こんな論文どうですか? 1950年頃の梅雨降水の増加に関係する、大規模場の特徴の変化(三隅 良平),1994 http://id.CiNii.jp/HkKcL

収集済み URL リスト