著者
北畠 尚子 三井 清
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.827-840, 1998-11-30
被引用文献数
3

1995年11月7日から8日にかけて日本海で急発達した低気圧について, 総観〜メソαスケールの前線の構造を中心に解析を行った.日本付近にはもともと南北2組のジェット・前線系があり, 低気圧は北側のジェット・前線系に発生したもので, 最盛期には南の前線系の雲とともに1つの閉塞した低気圧の雲パターンになったinstant occlusionであった.実際には, 地上低気圧に伴う(北の系の)下層前線は最盛期にもかなりの温度傾度を持ち, 閉塞はしておらずfrontal fractureもなかった.閉塞前線の雲のように見えたのは実は上空の寒冷前線(UCF)の雲で, 南の系の前線の遷移層から北上・上昇した高θ_e空気と, dry intrusionとによって生じたものである.この新たな高θ_e気流とそれに伴う雲の発達が, 低気圧・前線系全体の発達に寄与したことが考えられる.

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