著者
藤部 文昭
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.245-253, 2000-04-30
被引用文献数
2

日本の気象観測における日最低・最高気温の日界(1日の区切り時刻)は現在は00時である.しかし1939年までは多くの地点で日界を22時としており, 1953〜63年は日最低気温の日界を09時としていた.こうした日界の違いによって日最低・最高気温の階級別日数に生ずる偏差を, 19年間のアメダス資料を使って評価した.その結果, 09時および22時日界による冬日日数は, 00時日界によるものに比べて全国平均でそれぞれ4.9日/年(5.8%)と2.3日/年(2.8%)少なく, 熱帯夜日数はそれぞれ0.8日/年(15%)と0.3日/年(5.1%)多いことが示された.一方, 真冬日・夏日・真夏日日数については, 22時日界によるものと00時日界によるものとの差は比較的小さかった.次に, 日界の違いによる日最低・最高気温の偏差で階級別日数の偏差を表現する簡便な式を導き, その有効性を検証した.最後に, 階級別日数の経年変化率の評価における日界変更の影響を検討し, 過去100年間の冬日日数の経年変化率には数日/(年・100年)の評価誤差が生じ得ることを指摘した.

言及状況

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こんな論文どうですか? 日最低・最高気温の階級別日数(冬日・熱帯夜など)における日界変更の影響(藤部文昭),2000 http://id.CiNii.jp/Hl8KL

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