- 著者
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筆保 弘徳
塚本 修
- 出版者
- 社団法人日本気象学会
- 雑誌
- 天気 (ISSN:05460921)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.6, pp.443-451, 2000-06-30
- 被引用文献数
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2
台風9810号において, 進行方向の西側約150kmまでの九州南部から中国地方の地域で1.0〜7.5hPaのPressure Dipが観測された.特に台風経路に近い地域ではPressure Dipが起こる直前に気圧の急上昇(気圧の鼻)がみられ, それと同時に気温・露点温度の急低下, 突風, 一時的強雨が起こっていた.気圧の鼻やPressure Dipの起こった時刻で等時線を引いてみると, レーダー合成図でみられたレインバンドと気圧の鼻が良く一致し, 高層解析から高度2km付近でリチャードソン数の小さい層が確認された.これらの解析より, 気圧の鼻はレインバンドの通過に伴う現象, Pressure Dipはそのレインバンドに対応した内部重力波と考えられる.