- 著者
-
田口 晶彦
奥山 和彦
小倉 義光
- 出版者
- 社団法人日本気象学会
- 雑誌
- 天気 (ISSN:05460921)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.8, pp.649-659, 2002-08-31
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
11
第1部に引き続き,1995〜97年の梅雨明け以降の7月と8月の期間,SAFIRが測定した関東地方の雲放電数並びに落雷数と,館野の09時の高層データに代表される大気環境との関係を調べた.特に1日あたりの雲放電数が1000以上の大発雷日を無発雷日と比較すると,下層から中層にかけて,温度・露点温度・相対湿度・風の高度分布に顕著な差が認められた.いろいろな安定度指数についてスキル・スコアを計算し,発雷の有無を判別する能力を調べた結果によると,Showalter Stability IndexとK-Indexはほぼ同じ程度によく,Total Totals Indexが少し劣り,CAPEが最も成績が悪かった.安定度指数に中層の風向や相対湿度の影響を加味した発雷予測の方式を提案した.最後に,館野の高層ゾンデ観測に見られる混合比の日変化についても述べた.