著者
三浦 太郎
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.141-154, 2000

モンタナ裁判に勝訴し終身在職権を認められたキーニーであったが, 判決の翌年にはモンタナの地を離れ首都ワシントンでの職につく。そして終戦後, 戦時体制下にFEAなどで情報の収集・分析を行っていた績を買われて, 彼は民事に関する使節団の一員となり来日した。教育使節団訪日を準備していたCIEで日本の図書館政策を担当する任を得たキーニーは, ら構想した統合的な図書館システムの現を図る。しかし, その中央集権的な構想はCIEの全体的な政策に合致せず, また日本側関係から広く賛同を得ることも適わなかった。そこで, 全国の図書館の代表と会議を重ね, 図書館員の理解を得ようとしていた矢先, 折から右側化を強めていた米政府の方針に基づき, 図書館政策の是非とは無関係な, 共産主義との関わりが理由で, キーニーは帰国を余儀なくされた。

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編集者: Ichiro Kikuchi
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