著者
江沢 洋
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.724-730, 1993

だれが原子をみたか。その歴史的考察は前に書いたので, 今回は「だれが原子や分子の内部をみたか」に勝手にプランを変えた。学校物理は原子核の発見を話題にするくせに原子が含む電子数をみた研究はとりあげない。そこから始めてド・ブロイ理論を自己流に述べ, これが意外とよく原子内部の量子力学をみていることを主張。アルカリ金属原子の価電子を主量子数数十まで励起すると, そこでは電子の軌道運動がみえるという実験を紹介する。いや, ただの軌道ではなくて量子力学が染みついている。プランでは電子の量子飛躍をみる実験, 分子をなしている原子核の波束をみる方法など, 盛り沢山だった。量子力学をみる時代が始まっていることを伝えたかった。

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