著者
榊原 彩子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.485-496, 2004-12
被引用文献数
3

絶対音感の発達には臨界期が存在し, 6歳を超えると絶対音感習得が困難であることが指摘されている。加齢にともなう変化が絶対音感の習得可能性を減じていると考えられるが, 本研究では年齢の異なる幼児(2歳児4名, 5歳児4名)に対し, 同一の和音判別訓練法による絶対音感習得訓練を実践して彼らの絶対音感習得過程を縦断的に明らかにし, 年齢によって習得過程の様相も異なるのか調べることで, 加齢にともなう変化を検討した。音高という属性に「ハイト」と「クロマ」の2次元があるという考えに従えば, 絶対音感とはクロマの特定能力であり, その習得とはクロマの参照枠形成とみなせる。訓練課題のエラーから聴取傾向を記述すると, 習得過程中, 年少児は早い段階でクロマに着目し, 全体的にクロマ次元を重視した聴取傾向を示したのに対し, 年長児はクロマ次元の利用が少なく, 一貫してハイト次元に依存した聴取傾向を強く示した。加齢にともなう変化として, クロマ次元に依存する傾向が減じ, 逆にハイト次元に依存する傾向が増すという変化が示唆され, クロマの参照枠形成である絶対音感習得が, 加齢により不利になる様が示された。

言及状況

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絶対音感の習得の臨界期は6才であるとされる。 検索してみるといくつかの情報が得られる。論文を見つけたのでURLを示す。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001889158/ 加齢によって音感の習得が不利になるという結果が得られたようだ。 音感を習得させるには、就学前に訓練する必要があるということだ。 おそらく脳の組織の発達段階が関係しているのだろう。 「音 ...

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@Youcan_Teto31_2 ほれ、論文。 https://t.co/VkAKXpF3CQ
クロマとハイト。 https://t.co/geeLQBNWKu
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