著者
石田 英子 小笠原 春彦 藤永 保
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.270-278, 1991-09-30

The purpose of this study was to clarify (1) people's concept of intelligence in the following six cultures : Japan, Korea, China, Taiwan, Canada and Mexico ; and (2) the difference between the three following Japanese concepts : 'atamanoyoi', 'rikouna', 'kashikoi', which express "intelligent" in Japanese. The results were as follows : 1)Five-factor solution was found to be valid. They were named "sympathy and sociability", "inter-personal competence", "ability to comprehend and process knowledge", "accurate and quick decision making", and "ability to express oneself" ; 2)The factorstructures of Japan, Korea, China and Taiwan were similar to each other, but dissimilar to those of Canada and Mexico ; 3)The patterns of the correlations among the five factors were rather similar, while the variances of the factors were different between the nations concerned ; 4)The concept of 'kashikoi' was different from that of 'atamanoyoi' in that 'kashikoi' implied sociability together with cognitive ability.
著者
織田 揮準
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.166-176, 1970-09-30
被引用文献数
14 or 0

This study is on the developmental changes in meanings of the Japanese qualitative and quantitative words (most of them are adverbs) by means of the paired-comparison method. The qualitative and quantitative words are classified on the basis of the following four categdries of meanings : (1) 18 words which express degree of common things (TEST I) ; sugoku, hljoni, taihen, totemo, kanari, etc. (2) 16 words which express degree of probability (TEST II) ; zettaini, kanarazu, kitto, tashikani, tabun, etc. (3) 16 words which express degree of frequency (TEST III) ; itsumo; yoku, tabitabi, tokidoki, mareni, etc. (4) 18 words which express degree of psychological time-distance (TEST IV) ; a. 10 words which express the future ; suguni, imani, mamonaku, yagate, etc. b: 9 words which express the past : toni, senkoku, sakihodo, ima, etc. The subjects are required to answer the following questions.
著者
植木 理恵
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.98-108, 2008

本論文は掲載取り消しとなりました。<BR>2013年2月3日 一般社団法人日本教育心理学会
著者
原谷 達夫 松山 安雄 南 寛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-7, 1960-06-30

1.12の民族的国家的集団に対する大阪市在住学徒のステレオタイプが質問紙法によって求められ,各集団ごとに上位5特性を表示した。2.Katz & Bralyの手法により,中学生,高校生,大学生という標本群ごとにステレオタイプの一致度指数を求め,それぞれ.24,.28,.26という平均値を得た。3.民族的好悪感情の順位を測定した結果から,ステレオタイプを通して示された好意性との関連を考察した。とくに注意されたのは,日本人学生の自己帰属感における知的感情的両側面の不一致である。4.対照的な結果として朝鮮人に対するステレオタイプの非好意性と選択順位の低さとの合致が指摘され,検討が加えられた。5.われわれが得た成果を理論的に次の2点に集約してみた。i)本邦楽徒の一致度指数があまり高くない根拠としては,知的文化という面のほかに,民族的無関心という面が指摘されよう。ii)欧米的資本主義的先進国に対する日本人学徒の劣等感は,朝鮮人のステレオタイプ像へ投射される可能性があり,客観的理性にもとづく認識により偏見を克服する必要が感じられる。
著者
水品 江里子 麻柄 啓一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.573-583, 2007-12-30

日本文の「〜は」は主語として使われるだけではなく,提題(〜について言えば)としても用いられる。従って日本文の「〜は」は英文の主語と常に対応するわけではない。また,日本語の文では主語はしばしば省略される。両言語にはこのような違いがあるので,日本語の「〜は」をそのまま英文の主語として用いる誤りが生じる可能性が考えられる。研究1では,57名の中学生と114名の高校生に,例えば「昨日はバイトだった」の英作文としてYesterday was a part-time job.を,「一月は私の誕生日です」の英作文としてJanuary is my birthday.を,「シャツはすべてクリーニング屋に出します」の英作文としてAll my shirts bring to the laundry.を提示して正誤判断を求めた。その結果40%〜80%の者がこのような英文を「正しい」と判断した。これは英文の主語を把握する際に日本語の知識が干渉を及ぼしていることを示している。研究2では,日本語の「〜は」と英文の主語の違いを説明した解説文を作成し,それを用いて高校生89名に授業を行った。授業後には上記のような誤答はなくなった。
著者
植阪 友理
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.80-94, 2010-03-30

自己学習力の育成には,学習方略の指導が有効である。中でも,複数の教科で利用できる教科横断的な方略は,指導した教科以外でも活用できるため有用である。指導された学習方略を他の教科や内容の学習に生かすことは「方略の転移」と呼べる。しかし,方略の転移については,従来,ほとんど検討されてきていない。そこで本研究では,方略の転移が生じた認知カウンセリングの事例を分析し,方略の転移が生じるプロセスを考察する。クライエントは中学2年生の女子である。非認知主義的学習観が不適切な学習方法を引き起こし,学習成果が長期間にわたって得られないことから,学習意欲が低くなっていた。このクライエントに対して教訓帰納と呼ばれる学習方略を,数学を題材として指導し,さらに,本人の学習観を意識化させる働きかけを行った。学習方法の改善によって学習成果が実感できるようになると,非認知主義的学習観から認知主義的学習観へと変容が見られ,その後,数学の異なる単元や理科へ方略が転移したことが確認された。学習方略を規定する学習観が変容したことによって,教科間で方略が転移したと考えられた。また,学習者同士の教え合いが多いというクライエントの学習環境の特徴も影響したと考えられた。
著者
松本 じゅん子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.23-32, 2002-03-31
被引用文献数
1 or 0

本研究では,大学生を対象に,悲しい時に聴く音楽の性質や,聴取前の悲しみの強さと音楽の感情的性格による悲しい気分への影響を調べた。予備調査の結果,悲しみが強い場合ほど,暗い音楽を聴く傾向が示され,悲しみが強い時に悲しい音楽を聴くと悲しみは低下するが,悲しみが弱い時に悲しい音楽を聴くと悲しみが高まる,または変化しないことが予測された。実験1,2の結果,音楽聴取後の悲しい気分は,音楽聴取前の悲しみの強さにかかわらず,聴いた音楽によって,ほぼ一定の強さに収束した。結果的に,非常に悲しい時に悲しい音楽を聴いた場合,音楽聴取後の悲しい気分は低下し,やや悲しい時には変化しないことが示唆された。つまり,悲しい音楽は,悲しみが弱い時には効果を及ぼさないが,非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり,状況によっては気分に有効に働くことが推察された。
著者
南風原 朝和 芝 祐順
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.259-265, 1987-09-30

Three probabilistic indices were proposed for interpreting major types of statistical results obtained in behavioral research:the probability of concordance as an index of correlation, and two versions of the probability of dominance being indices of mean difference in the case of randomized and paired data, respectively. Charts for finding confidence intervals for their population values were provided. The relationships of these indices with certain nonparametric statistics were also noted.
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001-06-30

本研究は, 『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え, その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は, 「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度(経験・抵抗感)に基づいて, 回答者を3群(経験群・弱抵抗群・強抵抗群)に分類した。各群の特徴の比較し, 『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1)友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は, 『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より, 『援助交際』を経験する者や, 『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が, 『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
鈴川 由美 豊田 秀樹 川端 一光
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.206-217, 2008-06-30
被引用文献数
1 or 0

わが国の生徒は数学の知識や技能を日常生活の場面で活かす能力が弱いと言われている。OECDが実施している生徒の学習到達度調査(PISA)は,このような生活に関係する課題を活用する能力を測ることを目的とした国際的な学力調査である。この調査の結果から,他の国と比較したわが国の特徴を分析することができるが,国の成績の順位や各項目の正答率はその国の教育水準を反映するため,知識を日常場面で活かす力という観点からはそれを直接比較することはできない。本論文では,PISA2003年調査の「数学的リテラシー」の結果を反応パターンから分析し,多母集団IRT(Item Response Theory)によるDIF(Differential Item Functioning)の検討を行うことで,それぞれの国に所属する同一水準の学力の生徒の反応パターンの違いを明らかにした。分析の対象は,オーストラリア,カナダ,フィンランド,フランス,ドイツ,香港,アイルランド,イタリア,日本,韓国,オランダ,ニュージーランド,アメリカの13か国である。分析の結果,この13か国のうち,わが国は最も特異な困難度のパターンを持っているということが明らかになり,またその特徴として,日常生活に関連する項目を解く力が弱いということが示された。
著者
長谷川 真里
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.91-101, 2001

児童と青年の「言論の自由」の概念を探るために, 研究1では, 小4生, 小6生, 中2生, 大学生を対象に, 抽象的理解とスピーチ大会場面における制限判断, および両者の関連について調べた。抽象的には小4生でも大部分の者が,「言論の自由」を大切であると考え, 特徴を理解していた。制限判断では, 従来検討されていなかった判断材料として, 自由と抵触する問題の領域と, 受け手 (聴衆の属性) を用意し, 先行研究において整理されていなかった2種類の判断 (「行為の制限」と「法による制限」) について検討した。その結果, 領域を考慮して制限判断がされ, スピーチ内容が道徳以外の領域に属するとき, 小学生から中学生にかけて自由を支持する程度に差が生じた。聴衆の属性は考慮されなかった。また, 小4生, 小6生, 中2生は, 2種類の制限判断を区別して判断しなかった。そして, 学年,「言論の自由」の意義づけの質, および自由を制限する法があっても話してよいかどうかについての判断の差が, 制限判断に関係した。研究2では, 小学生から中学生にかけて, 制限判断において学年差が生じることを確認した。これらの結果を基に,「言論の自由」の概念の発達を支える要因について議論した。