- 著者
-
守屋 慶子
森 万岐子
平崎 慶明
坂上 典子
- 出版者
- 日本教育心理学会
- 雑誌
- 教育心理学研究 (ISSN:00215015)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.4, pp.205-215, 1972-12-31
- 被引用文献数
-
1
自己認識の発達を明らかにするために11人の小学生の作文を1年生から5年生まで追跡し,分析してみた。その結果,次のようなことが明らかになった。(a)自己の認識は,他を媒介として可能になる。(b)自己の認識は,はじめは外面的なもの(行動)の認識にとどまるが,次第に内面的なもの(意識内容)の認識が可能になる。(C)自己の認識は,まず現在の自己の認識から始まり,ついで,過去の自己の認識が可能となる。その結果,変化するものとして自己を認識することができる。(d)自己の認識は,個人としての他を媒介として始まるが,次第に,集団としての他を媒介にして深まり,そして,集団の中の個としての自己の認識へと進む。