著者
佐田 吉隆
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.138-144, 2000-06-30
被引用文献数
3

本研究の目的は, 朗読による精神面での積極的休息が知覚-運動学習に及ぼす効果を検討することであった。テスト試行10試行間それぞれの, 1分間の休憩中における3つの技法の回復促進効果が比較された。3つの技法は次のようなものであった。(a)積極的休息(筋)群は, 回転板追跡学習(右手)の休止期間にタッピング(左手)に従事した。(b)積極的休息(心)群は, 実験とは無関係の書物を朗読した。(c)消極的休息群は, できるだけ体を動かさず実験に関する思索をしないように休憩した。その結果, 休憩中に朗読することが最も効果的な回復技法であった。朗読群の被験者は, 技能習得試行において, 他の2つの技法よりも接触時間で有意に優れていた。休憩中に朗読することはまた, フリッカー値の上昇をもたらした。しかし, 統計的には認められなかった。覚醒水準の上昇の可能性が考察された。

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