著者
松本 じゅん子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.23-32, 2002-03-31
被引用文献数
1

本研究では,大学生を対象に,悲しい時に聴く音楽の性質や,聴取前の悲しみの強さと音楽の感情的性格による悲しい気分への影響を調べた。予備調査の結果,悲しみが強い場合ほど,暗い音楽を聴く傾向が示され,悲しみが強い時に悲しい音楽を聴くと悲しみは低下するが,悲しみが弱い時に悲しい音楽を聴くと悲しみが高まる,または変化しないことが予測された。実験1,2の結果,音楽聴取後の悲しい気分は,音楽聴取前の悲しみの強さにかかわらず,聴いた音楽によって,ほぼ一定の強さに収束した。結果的に,非常に悲しい時に悲しい音楽を聴いた場合,音楽聴取後の悲しい気分は低下し,やや悲しい時には変化しないことが示唆された。つまり,悲しい音楽は,悲しみが弱い時には効果を及ぼさないが,非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり,状況によっては気分に有効に働くことが推察された。

言及状況

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>>悲しい音楽は非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり,状況によっては気分に有効に働くことが推察された。 音楽の気分誘導効果に関する実証的研究 https://t.co/iqp4kWRBNH 悲しみから脱したい時はDark Lunacyの悲哀に満ちた名盤The Diaristを聴くのだ
@boukenshaparty1 上がらない時は無理に上げずに、下げキープ位で良いかもですね。 多分こんな感じ…? https://t.co/W3kUXcn2UA
音楽の気分誘導効果に関する実証的研究 https://t.co/ZUApPETv6C >>悲しみが強い時に悲しい音楽を聴くと悲しみは低下するが,悲しみが弱い時に悲しい音楽を聴くと悲しみが高まる,または変化しない
Now browsing ... CiNii 論文 -  音楽の気分誘導効果に関する実証的研究 : 人はなぜ悲しい音楽を聴くのか http://t.co/YiVNg0FR

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