- 著者
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水元 景文
- 出版者
- 日本教育心理学協会
- 雑誌
- 教育心理学研究 (ISSN:00215015)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.4, pp.225-231,253, 1962
対連合記憶の過程を習得時と想起テスト時に2分し, それぞれについてパターンとともにSおよびRの有意味性の記憶に対する効果が検討された。ここではパターンを一応記憶材料呈示の時空的な布置関係と考えて,習得時のパターンとしては,S→Rという特異の方法で呈示し学習させた。また,習得終了後の想起テストのパターンとしては,Fテスト(習得時のSとRの関係がテスト時でも変らない)とBテスト(習得時のSとRの関係がテスト時には逆になる)の2つが設けられた。有意味性の検討として,有意味綴りあるいは無意味綴りとかなもじ一字(たとえば,「アサーヒル」の対を「アーヒル」として覚えたという内観報告にもとずき,2字の綴りのうち,1字を最初らか消して,かな1字にしてしまつたもの)を対にしたリストを作つて行なった。<BR>その結果,習得時にはSあるいはRが有意味綴りだと無意味綴りよりも習得が容易であり,想起テストでは,BテストはFのそれより想起はむずかしいが,この場合でも有意味語はよく想起されるという結果を得た。